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2020年5月20日 (水)

木の香便り

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ステイホームが長く続くと、何が耐えられないのかというと、旅行や遠出ができないことでしょうな。

残念ながら、今年はロシアに行くことは、かなり難しくなりました。

ここ10年近く、初夏のロシアを新たなマトリョーシカとの出会いを求めて各地を巡っていただけに、この喪失感は、海よりも深く、ブラジルまで届いてしまいそう。

ああ、悲しくて、悲しくてとてもやりきれないと、思わず歌ってしまう日々を過ごしているのでございます。

 

やはり書を捨てて旅に出なければ、新たな出会いもないし、新鮮な驚きにも遭遇しないのは、万人の共通の真理。たとえ行きつけの店にいくときも、心の在り方を変えれば、十分に旅の気分を味わえると言ったのは、吉行淳之介だったでしょうかね。

「街角の煙草屋までの旅」で書いていましたな。

 

この閉塞感に満ちた日々を送っているときの気分転換として、昔に旅行した旅の写真をぼんやりと見るのが、良いのかもしれません。

昭和の頃は、フィルムではケチって、なかなかシャッターを押さないのが性分だったのですが、もう令和の世はちがいます。

携帯電話で簡単に写真が撮れる時代ですから、フィルムカメラ時代とは比べ物にならないぐらいに、膨大なストックがあるかと思います。

これはINSTAGRAM向け、これはブログ用、なんて仕分けしたりしてね。

その一日中見ても終わらない莫大な枚数の写真を、ぼんやりと眺めれば、家にいながらにして旅の気分を味わえるわけです。

 

そういう私にも、たくさんの写真がありました。

こんな所に行ったのかと、昔のアルバムをめくるように、じっくりと見入ってしまいましたねぇ。

 

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写真は細密画で有名なパレフに行ったときのもの。

産業はパレフ塗しかないような小さな町で、中心部に立派な教会があるだけで、陽が暮れたら、漆黒の闇が舞い降りてくるようなところでした。

久しぶりに暗闇に閉ざされた夜を経験しましたね。

次の日に博物館に行ったら「日本人がこの町に来たのは8年ぶりね」と言われたのを思い出します。

もう一度訪れたいかと訊かれれば、躊躇してしまいますが、悠々とした時間流れのなか、ロシア人は暮らしているのだなと実感しましたな。

 

テレビを観るのも飽きたし、ゲームに熱中する年齢でもないと、身を持て余しているようでしたら、ぜひ写真をお勧めします。

一度、訪れているのだから、新鮮味に欠けるかもしれませんが、ただあの時の感動がじんわりと心に染みてきますから。

ぜひ一度、騙されたと思ってやってみてください。

 

おあとがよろしいようで。

 

(店主YUZOO)

 

5月 20, 2020 店主のつぶやき |

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