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2018年5月21日 (月)

ロシアに里帰りします!






いよいよロシア買付の旅が始まる。
もう10年以上も彼の国を訪れていると、特別な感慨もなく、一旗揚げようという妙な力みもなく、未だ見ぬロシアの逸品を見つけ出すと意気込みもなく、里帰りの気持ちに近い。
実際に、年を追うごとに、各家庭に招かれたり、パーティに呼ばれたりすることが多くなり、家族構成や好みも知っているので、それぞれに合った御土産を持参することにしている。
家族ぐるみの付き合いと言っても過言ではない。
ロシア語どころか英語でさえ満足に話せなくても、このような関係になるのだから、人と人との出会いは不思議である。
年月が成せる技だろうか。




また10年前と大きく変わったのはインターネットの日進月歩の発展。
地球の裏側に住む人たちと気軽に知り合えるようになり、相手のことを簡単に知ることになった。
気軽に連絡を取れるようになったのも、大きな要因だろう。
時差を感じることさえなく、コミュニケーションが取れるのだから、世界が年々縮んでいくような気分である。

もはや私にとっては、今やロシア買付も東北出張も同じ感覚。
さらに翻訳サイトが出現したことが、言葉が不自由な私には、バース、掛布、岡田が連ねていた1985年のタイガースのごとき安心感につながっている。




「来週、マトリョーシカを買いに行くから、適当なものを見繕ってくれよ」
「あいよ!合点だぁ。1年ぶりだからその後酒でも呑もうや」
「今回、日本酒と焼酎の良いやつを買っていくぜ」
「たまらんなぁ。日本酒にありつけるなんて天国や」

こんな会話も翻訳サイトのおかげで、長屋の八つぁんと熊さんのごとく、粋なやり取りが出来てしまうのである。
この状況を、やがて世界全体がひとつの価値観で覆い尽くされ、その国や地方の文化や伝統が廃れていく端緒が、このインターネットの発展に潜んでいると危惧する社会学者がいるが、私のような凡人は雲の上の論争。
深く考察しようにも洞察力も、未来を想像できる千里眼も持ち合わせていない。


コミュニケーションは、例え文法や語彙が間違えようとも、まずは自分の言葉で話し、まったく寄る辺ない状況ならば、翻訳サイトを使ってでも何かしら相手に伝えようと必死になった方が、沈黙しているよりは、何倍も平和裡に物事が運ぶものである。
買付の場面では、沈黙は金ではない。
それに長い人生で自身が培った第六感をフルに発揮すれば、自ずと路は拓かれる。
あとは良いマトリョーシカに会えるかは、星の巡り合わせにかかっている。


というわけで、ロシア買付の旅、いや里帰りに行って参ります!

(店主ЮУЗОО)


5月 21, 2018 店主のつぶやき, 海外仕入れ |

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