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2018年2月22日 (木)

第39回 耳に良く効く処方箋




村八分『アンダーグラウンド・テープス』(ハガクレ)

未発表音源やアウトテイク集は、音質的に問題があるものが多いが、それを差し置いても、ファンならば聴きたいもの。
昨今のボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、ビートルズ、ドアーズといった大物アーティストが、ブートレッグで流通していた音源をリミックスし直して、正規盤として発売に至るのも、そのファンの要求を満たすためなのだろう。


ファンとは満足することを放棄した生き物。
ボーナス・トラックに数曲の未発表音源が収録されているときけば、喜んで買ってしまう悲しい性の生き物なのである。


このアルバムは、再発レーベルのハガクレ・レコードが、2003年に村八分の未発表音源集として、何枚かのCDに分けて発表されたもの。
結論から言うと、ファン心理的には昨晩の酒が影響して消化不良を起こした感じとでも言おうか、この貴重な音源を耳にできる喜び半分、ハガクレの雑な仕事ぶりに落胆が半分が正直なところ。




ライナーや録音データもなく、帯を代用したシールに、1972年に行われた京都KBC放送のラジオ番組用に録音されたと書いてあるのみ。
ジャケットをぼんやりと眺めて、当時の状況を想像するしかないのである。
英国ケント/エースの丁寧な仕事、ドイツベア・ファミリーの録音データに対する異常なまでの執念、日本オールディズのジャケットへのこだわりなどを見習って欲しい。


収録曲は「ぐにゃぐにゃ」が3テイク、「のうみそ半分」が2テイク、「鼻からちょうちん」が1テイクの全6曲。
どのラジオ番組のために録音されたのか知る由もないが、このCDに収められたのが全テイクだとすると、スタジオ・ライヴというより、村八分がデビューする1年前だけに、今若者間で人気のあるバンドの紹介という形で録られたものかもしれない。
それ以外は推測しようがない。


2016年にリマスター版が出て、録音風景や未発表音源が追加されているらしいが、同じのを2枚購入するのを厭わない自分でも、二の足を踏んでしまう。
未だに消化不良である。

(店主YUZOO)

2月 22, 2018 店主のつぶやきCDレビュー |

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