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2018年2月26日 (月)

第1話 一生に一度はお伊勢参りの旅





「東海道中膝栗毛」や上方落語「伊勢参宮神乃賑」しかり、日本人として生まれてきた以上、伊勢神宮に参拝しなければならぬ。
機会があればと長年思っていたのだが、今回大阪本社の会議に合わせて、会社の同期、擦れ枯らしオヤジ二人と、伊勢まで足を延ばすことにした。
その同期、内海さんと菊池さんとは三十年来の付き合いで、十年ほど前から「オヤジ会」と称して、四十七都道府県をすべて巡る計画を立てている。
今までに10程度の都市や観光地を回った。
もちろん三重県は初めての旅行。


大阪から伊勢に向かうには近鉄特急が便利である。
大阪なんばから奈良路、伊賀の里を抜けて、高級和牛で有名な松坂に入り、伊勢に至る。
宿泊は、更に一時間ほど南に下った賢島にある、伊勢志摩サミットで一躍有名になった志摩観光ホテル。
東横インやアパホテルに慣れきった私たちには、リゾート型ホテルに泊まるのも、今回の旅の楽しみのひとつである。
10時過ぎに出発の近鉄特急に乗り、伊勢神宮のある伊勢市駅に向かう。





いつもの三人の旅行だと、車内で呑む酒も重要な愉しみなのだが、伊勢参宮という神聖な行事ゆえ、缶コーヒーで我慢して、車窓の景色を旅の友とする。
真冬の奈良路は収穫を終えた田畑が、白茶けた土を剥き出しにして目の前に広がり、代々続く農家なのだろう、瓦の立派な曲り家や白壁の土蔵が時折見える。


遠くにそびえるのは生駒山だろうか。
その後、三重県との県境に差しかかると、長いトンネルの連続。
先頭の展望車両に行ってトンネルの出口を待ったり、今宵の三重県の地酒を調べてみたり、電車が到着するのをひたすら待つ。


約2時間ほどで伊勢市駅に到着。
JRも乗り入れているターミナル駅なのだが、綺麗に整備された駅前は参拝客の賑やかさはなく、ひっそりとしている。
落語が描く賑わいを思い浮かべていただけに、あまりにも差があり過ぎて、オーソレミーヨと唄いたくもなる。
ここから歩いて参拝できるのは、伊勢神宮の外宮。
伊勢参拝のメインとなる内宮は、伊勢市駅からバスで15分ほど行った先で、たぶん参拝客はここには寄らず、直接そちらに向かってしまうのだろう。




本日は外宮のみの参拝。
何事も急いでは、御利益が半減するだろうし、元々分刻みのスケジュールなど頭にない気儘な旅行なので、誰一人として異論はない。
だいたい三十分も歩けば、喫茶店で休もうとボヤくし、そこに酒があれば、いつの間にか宴を始めてしまう、三人とも低い場所へと流されていく性格。
1日にひとつ観光すれば充分である。


外宮は衣食住の守り神である豊受大御神を祀る宮代であり、外宮を詣した後に内宮に向かうのが、本来の正しき参拝の順序だという。
その意味では、オヤジ三人の選択は筋の通った行程。
何事も無理をしてはいけない。
旅のスケジュールも腹八分目が、一番愉しむことができる。


(つづく)

♪今回は鉄ちゃん風な写真を撮ってみました。
店主YUZOO

2月 26, 2018 店主のつぶやき |

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