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2018年1月22日 (月)

チェブラーシカ『誕生日の唄』





先日、木の香でオープンから一緒に仕事をしているTさんが誕生日だったので、チェブラーシカ好きならば誰もが思い出す「誕生日の唄」についてひとつ。


チェブラーシカの第2話の冒頭で唄われる「誕生日の唄」は、ロシアでは特別な歌であるようだ。
この第2話が製作されたのは1971年だから、もう40年以上も前になる。
元々は童話作家エドゥアルド・ウスペンスキーが、1966年に書いたワニのゲーナを主人公にしたシリーズ童話だったのを、ロマン・カチャーノフが監督し、キャラクター・デザインをレオニード・シュヴァルツマンを担当して、映画が製作され、あの愛らしいキャラクターが誕生した。


レオニード・シュヴァルツマンがのちにインタビューで、チェブラーシカ誕生について、こう発言している。
「本には耳のことが書いてなかったから、他のすべての動物と同じく、上に立った耳を最初に描いた。それから大きくするようになり、動物ではなく、人間のように頭の両側まで耳を『降ろした』。撮影前、人形には短い足がついていて、人形使いが苦労していた。だから足関節から下の部分だけを残したら、キャラクターの不思議さが増した。尻尾も取ったら、人間の子どものようになった」(ロシアNOW より)


第1話が上映されたのは1969年。
好評だったのか、すぐに第2話が製作されるのだが、人形アニメは製作が困難なのか、ロマン・カチャーノフが細部にまでこだわる正確なのか、完成は2年後。
さらに次作へと入るのだが、3話が1974年にようやく上映。
そして1983年に4話が上映された後、長い沈黙に入る。
つまり14年で4話しか製作されていないアニメなのである。
それなのにロシア人ならば誰もが知っている、国民的なアニメになっているのだから、その完成度の高さとキャラクターの愛くるしさが、心を捉えているのだろう。


それゆえに「誕生日の唄」は、ロシアでは「Happy birthday to you 」に代わる愛唱歌になっている。
昨年、セミョーノフのマトリョーシカ工場の社長の誕生日祝いには、50歳という節目だけあって、集った人々がホールに響き渡るぐらいに、この唄を歌ったし、私の誕生日の時も、ささやかにこの唄で祝ってくれた。
残念なことに誕生日は一年に一回しかないんだという歌詞が、愉しいことは続かないけど、今夜だけは特別な日だよと祝福されているようで、心にしんみりと響く。
ロシア人もその歌詞が好きなようで、この部分になると歌声もひときわ大きくなる。


年を重ねると、それほど誕生日が特別な日だ思わなくなっていたけど、この唄を聴くと、みんなで「誕生日の唄」を歌ってくれたことを思い出し、自分にとって大切な日じゃないかと思い返す。
ロシア語なので簡単に口ずさんむことは出来ないけど、ぜひ覚えて、大切な人の誕生日に歌ってあげてはいかがでしょうか。


映像は下記のYouTubeからどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=8hmrzZxbtB8

歌詞はこちらになります。

Пусть бегут неуклюже
Пешеходы по лужам,
А вода - по асфальту рекой.
И неясно прохожим
В этот день непогожий,
Почему я веселый такой.

я играю на гармошке
У прохожих на виду...
К сожаленью, день рожденья
Только раз в году.
К сожаленью, день рожденья
Только раз в году.

Прилетит вдруг волшебник
В голубом вертолете
И бесплатно покажет кино,
С днем рожденья поздравит
И, наверно, оставит
Мне в подарок пятьсот "эскимо".

雨の中を水たまりを避けて急ぐ人々
アスファルトには水が溢れ
川となって流れていく
みんなはわからないだろうね 
こんな最悪な日に
私がなんで陽気でいられるのかなんて

私はアコーディオンは奏でる
往き交う人を眺めながら
けれども残念なことに誕生日は
一年に一度しかないんだ

大きな青いヘリコプターで
魔法使いがやってきて 
無料で映画を見せてくれたよ
誕生日を祝ってくれて
プレゼントには500個のアイスクリーム

私はアコーディオンを奏でる
往き交う人を眺めながら
けれども残念なことに誕生日は
一年に一度しかないんだ



1月 22, 2018 店主のつぶやきロシア語 |

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