« 第12回 耳に良く効く処方箋 | トップページ | 第21回 紙の上をめぐる旅 »

2018年1月 8日 (月)

第13回 耳に良く効く処方箋




リンダ・ルイス『ラーク』(リプリーズ)

このアルバムが世界初CD化が成された時、かなり話題になった。
故中村とうようが、ミュージック・マガジン誌で、この名盤を幻のままにしておくのは何たることかと、かなり強い口調で書かれていて、それに同意する声に押されて、レコード会社が重い腰を上げたと記憶している。
またクラブ・シーンで「sideway shuffle 」が話題になり、何度もターンテーブルに乗ったことも後押しになった。


世の中に幻の名盤と言われるレコードは数多くあれど、ほとんどが迷盤か冥盤の類で、このアルバムのようにじっくりと聴けるものは、皆無に等しい。
しかしこれ程、慈愛と歌うことの喜びに満ちたアルバムが、1972年発売日当時は、ほとんど話題にならなかったのだろう。


シンガーソングライターの旗手として、キャロル・キングやローラ・ニーロが注目されて、マーヴィン・ゲイやスティーヴィ・ワンダーも新しいタイプのソウル・ミュージックを創り上げていく。




このアルバムもカテゴリーに囚われない様々な音楽の要素が煮込まれていて、ジャズ、ゴスペル、ボサノヴァ、カリプソなどの最良の味覚が溶け込んでいる。
話題になっても不思議ではないのだが、当時の最新スタイルよりも、さらに半歩先を進んでいたため、どう評価して良いのか判断がつかなかったのではないか。


それほどまでにリンダ・ルイスは歌うことに自由で、このアルバムのタイトルどおり、天に向かって囀る雲雀のように歌う。
これ程、気の赴くままに自由に歌うことができる女性シンガーは、アレサ・フランクリンとエリス・レジーナぐらいしか思いつかない。
まさに神に選ばれた天性の歌声。


このアルバムがCD化されたのは1995年。
再び幻の名盤にならないように祈るばかりである。


(店主YUZOO)

1月 8, 2018 店主のつぶやき, CDレビュー |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/184818/66254488

この記事へのトラックバック一覧です: 第13回 耳に良く効く処方箋:

コメント

コメントを書く