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2017年12月11日 (月)

雪やコンコン旭川の旅(上)







急遽、会社からの特命で、北海道の旭川まで行くことになった。
もちろん深圳と同じく極秘事項だけに、ここでは明かすことはできないが、とにかく早朝の羽田から千歳へと旅立ったのである。
初冬の朝焼けは、空気が澄んでいて美しい。

千歳空港までは約1時間40分。
東京から名古屋ぐらいの時間で着いてしまうのだ。日本は年を追うごとに狭くなっていく。旅情を愉しむことなど、遠い昔の絵空事になってしまった。
ウトウト、ムニャムニャと寝言をつぶやいているうちに到着となる。






着陸前の機内放送では「ただ今、外気の温度は−9°C。東京と気温差がありますので、くれぐれもお身体をお崩しになりませんように」と、艶のある声で伝えてくれる。
12月初めにして−9°Cとは、さすが悠久の大地、北海道である。
顔から霜柱が生える。
産毛に樹氷が林立する。

感心するのと同時に、背広に革靴、それに薄手のジャンパーで北海道に来た自分の無策に、思わず溜飲を下げる。
いくつになっても甘いんですな。
未来予想図などないのですな。




JRのホームに向かうと、電車遅延のお知らせがあり、その理由も北海道ならではの大らかさ。
電車の車輪が凍結したためのこと。
人身事故やら扉に荷物が挟まったためなどという人為的な理由でないので、やり場のない怒りで腹立つこともない。
車輪も縮み上がるような寒さなのである。車輪の気持ちもよく分かる。
ちょっとしたスキで、凍れてしまったのである。




札幌で特急ライラックに乗り換え、一面雪の大地のなかを旭川に向かって驀進する。
車窓は水墨画のよう。
樹々が凍り、きりきりと音をたてる世界。
タロウの上にもジロウの上にも、雪はしんしんと降り積もる。

(つづく)






12月 11, 2017 国内仕入れ店主のつぶやき |

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