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2017年12月15日 (金)

第4回 耳に良く効く処方箋




アリス・コルトレーン『ア・モナスティック・トリオ』(インパルス)

アルバート・アイラーの精神性を重視したフリージャズを聴いてしまったので、同じくジョン・コルトレーンに多大なる影響を受けたアリス・コルトレーンのアルバムを聴く。
名前が表すとおり、アリスは、ジョン・コルトレーンの細君。
公私ともに夫が死に直面する時まで、添い遂げたのだから、真の継承者といえるかもしれない。


ウィスキーのロックでは、精神性の高いジャズはそぐわないと痛感したので、ここは焼酎に切り替える。
庶民的な酒を片手に、下世話な耳で聴いた方が、素直に修行僧のようなジャズの高尚さが、すんなりと入ってくるというものだ。


解説によると、このアルバムはコルトレーンの死後、最初に発表された作品で、鎮魂歌集にあたるもの。
「Ohnedaruth 」、「Gospel trane 」など黒人文化に根ざした主題とコルトレーンが理想とした世界を表現することに、全身全霊を傾けている。
最愛の人を失った悲しみと、その意志を引き継ごうという決意が全面に出た気迫極まる演奏である。
こういうジャズならば、下世話な私にでも理解できる。焼酎が心地良い。


アリスはピアニストなのだが、ジャケットでもわかるように、ジャズでは珍しくハープに挑んだ曲もある。
ハープは琴のような響きがあって、そのせいか東洋的な安らぎを感じることができ、日本人の耳には親しみがある演奏。
コルトレーン・カルテットのベース奏者、ジミー・ギャリソンがウッドベースが、良く響いていて、華を添える。


「Atomic peace 」は、下世話な私の耳には、極楽浄土を表現しているようで、自然に手が、焼酎をグラスに注いでしまう。
何億光年の彼方から届いた星の光は、もしかすると私たちが眼にした時には、もう砕け散って存在していないのかもしれないのだ。
逆を言えば、コルトレーンはこの世を去ってしまったが、その精神性は光となって何億光年の彼方へと解き放れているとも考えられる。


この大宇宙のなかにコルトレーンの精神は消滅することなく、永遠の魂をともなって生き続けている。合掌。


高尚なアルバムだったけど、私なり多少は、理解できた作品。
毎日は聴きたくはないけれどね。
さて、もう一杯。

12月 15, 2017 店主のつぶやきCDレビュー |

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