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2017年9月29日 (金)

第9話 ロシア買付日記





いよいよロシア買付も終盤戦を迎える。
セミョーノフで大量のマトリョーシカを買付。
最近のセミョーノフは以前の赤と黄色のスタンダードなものだけでなく、カラーバリエーションも多彩になり、いろいろなデザインが生み出されている。
すべて木箱に入っているので、玉手箱ように蓋を開けて、新作がお行儀よく並んでいるいると、お宝を発見したような喜びがある。
これだから買付は愉しい。





その夜は近くのレストランを借り切っての誕生日パーティ。
ロシアの誕生日パーティは盛大と噂には聞いていたけど、まるで結婚式の披露宴のようである。友達が前に出て祝辞を述べるのはもちろんのこと、寸劇で笑いを取ったり、ゲームをしたりと、舞台は華やかである。
私たちはその場で覚えさせられた不思議な歌を合唱して、多大なる喝采を受ける。
ロシアでは誰もが知っている歌で、みんなで一緒に合唱。
日本人の歌に合わせてロシア人が歌うというのは、何とも不思議な感じ。





そのあとは、ずっとダンスパーティ。
華やかに着飾ったおばあちゃんが嬉々として踊っているのが何とも愉快で、何度もダンスの輪に誘われる。ここでは私はモテモテで、次々とおばあちゃんからチークを踊りましようと手を引かれる。
おばあちゃんのダンスは情熱的でありながら、開放的なユーモアがあって、一緒に踊っていると目尻が下がってしまう。
誰もが3回モテ期があると言われるが、そのうちの1回はこのパーティで使った気分。





踊り疲れて席に戻ると、今度はおじさんたちがウォッカを片手にやって来て、知り合いになったお祝いだと、祝盃を交わす。
こういう時は、自分は何語を話しているのだろうか。ほとんどロシア語が理解できないのに、しっかりと会話をしているから不思議だ。
お酒の神様の粋な計らいにちがいない。

6時からスタートとして、パーティは延々とと続き、気がつけば午前2時である。
元気いっぱいのおばあちゃん、笑顔が素敵なおじさん。とても愉しい夜会でした。

(店主・YUZOO )

9月 29, 2017 店主のつぶやき, 海外仕入れ | | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月20日 (水)

第8話 ロシア買付日記




朝の4時には明るくなってしまうので、早起きして散歩にでる。
散歩なんて日本ではしない習慣だけど、やはり海外だと気分がちがうのだろう。

ロシアは窓枠が可愛いらしいので、家並みを見ているだけで楽しい。
窓枠が額縁のようで、窓辺に花瓶を置くだけで、1枚の絵のように見える。何処の家も窓枠にはこだわりがあり、隣の家同士が同じ枠組というのは、まず無い。




もちろんマトリョーシカとホフロマ塗りで有名な町なので、至る所に伝統デザインをつかったものがある。電柱にも、壁にも、公園の柵にも、それを見ることができる。
町として誇りがあるのだろう。
トイレの入り口にまでホフロマ塗りの皿で囲った門があり、日本人的な思考だと一礼したくなるような厳かな気分にさせられる。




まだ買付の時間まで、たっぷりある。
仕事までにこのゆとりの時間を過ごすなんて、日本ではなかなかない。
毎日、このような気分で朝を迎えたい。

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2017年9月13日 (水)

第7話 ロシア買付日記





今日は移動日。
モスクワから電車と車でセミョーノフまでの長旅。約600キロある。
舗装路の状態は、日本のようにはいかない。大河ヴォルガも渡らなければならぬ。
朝6時にホテルを出発したが、いつ到着することやら。

今回のセミョーノフはマトリョーシカの買付はもちろんのこと、もうひとつの目的は、マトリョーシカ工場社長の50歳の誕生日をみんなでお祝いすることである。
日本は60歳を還暦として、いつもとは違う祝福をするように、ロシアでは50歳が人生の区切りとなるそうだ。
半世紀の人生を盛大に祝う為に、日本から樽酒(似せたものだけど)、いつまでも健康にとハブ酒、社長のポートレートをパッケージにしたチョコレートなど、いろいろとサプライズを用意したのだ。
パーティが盛り上がらないと、重い思いをして日本から持参した意味がない。





それにしても何処までも続く平原。
道沿いに白樺の林が続き、所々にラベンダーが咲いている。眼を開けていても、瞑っていても同じような景色が遠遠く延びている。





途中に寄ったガソリンスタンドで見たアイスクリームのパッケージの可愛らしさに、思わず眼を細める。
紙で包んだアイスクリームは、創業当時から味もパッケージも変えていませんといった感じの頑固さがあり、パッケージの派手さで勝負しないという潔さがある。
ロシアのアイスクリームは、コクがあってバターを舐めているような美味しさがある。
日本ではなかなか味わえない濃厚な味わい。

まだまだセミョーノフまで道は続く。

(店主・YUZOO )

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2017年9月 6日 (水)

第6話 ロシア買付日記




市場の人いきれで混沌とした熱気が好きである。
ロシアの雑貨市場は生鮮食料品を扱っているわけではないので、売り手と買い手の声高なやりとりはないが、それでも熱気はある。
リアカーを引いて果物を売る者もいれば、お茶を売る移動式の屋台も出る。

露地いっぱいにベレスタが積まれ、夏だというのに毛皮の帽子が壁一面に咲き乱れ、雛壇に並んだマトリョーシカたちは澄ました目線でこちらを見ている。
それらを買付にロシア各地から、いやヨーロッパからも名うての雑貨商たちが、さほど広くない市場に大挙してやって来る。




こちらも負けてはいられない。
かりにも極東の島国からはるばる来ているのだ。何を買うかは、昨晩から諳んじられるほどに頭の中に刻み込んでいる。
1個、2個といった染みっ垂れた買い方はしない。10、50、100が単位である。

この市場に来るようになって10年。
どの商品がどの店で扱っているのかは、もう百も承知。
天井の染みぐらいに知っている。
これで思い通りに買付られなかったとなると、自棄のやんぱち日焼けの茄子、色が黒くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たないよと、寅さんの口上がつい口をつくことに。
つまり初秋に冬眠から覚めた蛙のような、自暴自棄な気分になってしまう。





今日はロシアならではの白木やヤーロスラブリの素焼きの人形、もちろんマトリョーシカも買付。何を血迷ったのかスノードームや寺院オルゴール、カレンダーまで、買付用の大袋に投げ込まれていく。
8月に大きなイベントが二つあるので、バラエティに富まそうと思い、かくなるご乱心を起こしている次第。
これだから買付はやめられない。





〈追記〉
ちなみに時間が勝負の買付ゆえ、写真を撮り忘れました。ということで市場と関係ないものをアップしてます。
お楽しみのところ、申し訳ありません。


(店主・YUZOO )





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