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2017年8月11日 (金)

ロシア蚤の市雑記





8日から木の香で開催されている「蚤の市」について、雑考を少し。
最近、日本でも土日になると公園や駅前広場で、クラフト市や蚤の市、それに古本市などが開かれ、その手のモノが好きな方には、楽しみな休日になっている。
使い捨て文化、浪費社会から、モノを大切にする社会への変化の兆しとも感じられ、古いモノが好きな私には、ようやく住みやすくなってきた。
冬来りなば、春遠からじ。
もっとも断捨離ができず、本やレコードは当然ながら、チラシやDMでさえ捨てられず、ファイリングしているぐらいだから、その冬籠り前のリスのような性格にも問題はあるのだが。





ロシアも土日になると、公園や駅前など人が集まるところに蚤の市が出店する。
しかし最近はモスクワ市の条例が厳しくなったのか、私がロシアに行くようになった10年前より数は減り、開催場所が市の中心部から郊外へと移ってきている。
以前は地下鉄の改札を出ると、道の左右に様々な出店があり賑わっていたのに、今は足を止める人もなく寂しい路端になってしまった。

仕方なく定期的に開催される郊外の蚤の市まで、足を延ばさなければならなくなり、しかも世界各地からコレクターやバイヤーがかの地を目指すようになったので、激しい争奪戦となっている。
私はアンティークの目利きではないので、世界の猛者には到底太刀打ちできないが、唯一マトリョーシカや木工芸品だけは、少しばかり眼光が鋭くなる。
マトリョーシカの底にあるサインを見たり、顔つきから何年頃の製作か推定し、ソビエト時代と判断すれば買うようにしている。





買う人の心理を巧みに読むのが、売る側の腕の見せ所で、最初に高値を言ってから、徐々に安くするのは常套手段。
「いくらだったら買うんだい?」
「欲しくないなら、値段聞かないでおくれ!」
という強者もいて、ロシア語が1歳レベルの私は「いらないなあ」と、すねたように返すだけである。

とくにチェブラーシカの古いモノを扱っている人は、相当に手強い。
こちらが日本人とわかるや否や
「コンニチワ。ワタシ、スズキサン、シッテイマスカ?」
「クロサワ、ゲイシャ。アリガトウ」
と聞き覚えた日本語で近づいてきて、それからチェブラーシカの縫いぐるみやバッチ、陶器など見せ始める。
日本人のチェブラーシカ好きを熟知しているようで、価格交渉も安易な値引きはせず、まとめて買うのならばこの値段にすると、やや強気に提示してくる。
こちらも、それなりにこの世界で飯を食べている。
すぐに白旗を揚げる訳にもいかない。





「このオッサン、うちらの売りだけで、今日の売上を稼ごうとしているな」
「半分は最近つくられたモノだし、上手いことやるね」
チェリパシカ氏と相手の出方を判断して、その中から、欲しいモノといらないモノに仕分け、欲しいモノだけを価格交渉する。
「このチェブラーシカの縫いぐるみは、あの店でこの値段で売ってた。だから同じ値段じゃないと買わない」
そう言って、先ほど買ったチェブラーシカの縫いぐるみを、スズキサンを知っているオッサンに見せる。
そうすると饒舌だったオッサンの舌は、潤滑油が切れたように回らなくなり、日本人は商売が上手いなあと愚痴をこぼす。

そんなこんなとエピソードがあって買い集めた、私なりの逸品です。
今回は、ロモノーソフやリュドーボといったロシアの名陶を中心に、普段買わないサモワールやソフビなども揃えてみました。
明日から連休、木の香でロシア蚤の市の雰囲気を楽しんでくださいね。

(店主・YUZOO )

8月 11, 2017 店主のつぶやき, 海外仕入れ |

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