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2017年8月26日 (土)

第4話 ロシア買付日記




今日は中距離バスに乗ってセルギエフ・パッサードへ。約1時間半の小さな旅である。
行き慣れた旅といえども、バスや鉄道の旅はやはり心が躍る。
モスクワ郊外に出ると何処まで続く果てない平原があり、時にはラベンダーが紫の絨毯となって草原を覆い、遠くには玉ねぎ頭の寺院が見え、飽くことのない景色が目の前に広がる。
気障な言い方かもしれないが、車窓から見える風景は一枚の絵であり、掌編小説である。
崩れかけた廃屋に絡まる樹木を見て、人々が生活を営んでいた頃の様子に思いを寄せ、自然が家屋を呑み込んでいく無慈悲さを痛感する。




チケット代は200ルーブル。(約400円)
距離を考えれば公共交通は、軒並み日本より安い。地下鉄だって、一回の乗車は距離に関わりなく70円程度。料金均一だから、わざわざ路線図を見て、切符を買う手間が省けるのも嬉しい。

セルギエフ・パッサードは世界遺産に登録されたセルギエフ大修道院とマトリョーシカ発祥の地として知られている町。
ショップ・ウィンドウもマトリョーシカを使った飾りつけをしている店が多く、目を楽しませてくれる。
もちろん観光で来ているわけでない。マトリョーシカ作家さんの家を訪問するのが目的だから、ご自宅や工房を巡っては、気に入ったものを買付ていく。




何を買付するかは腕の見せ所で、どんなデザインがお客様の好みに合うか、似たようなものを買わないように選ぶか、美的センスが問われる場面である。
ただ最近はインターネットの発達で、時差こそあれ、迷って悩んだ挙句に写真を転送すると、日本にいる美的センスが良いスタッフが、お客様好みのものを選んでくれる。

便利な世の中になった。
反面、地球から未知なる世界が減り、どんどん小さくなっていく。

(店主・Yuzoo )




8月 26, 2017 店主のつぶやき, 海外仕入れ |

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