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2016年8月30日 (火)

買付おやぢはセミョーノフをめざす(17)

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ロシア買付より帰国したのでブログを再開。
ふと気がつけば一年前の話を未だに綴っている。
一週間も過ぎれば、世界を揺るがす衝撃的な事件でも鮮度が落ちてしまうこのご時世、すでにミイラ化しているにちがいない。
まったく不徳の致すところ。

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さて買付と言えば、日本の商習慣からすると、まずテーブル囲んで世間話をし、それから商品を目の前にして交渉するというのが王道であるが、ロシアではそうはいかない。
それにマトリョーシカの商談である。
セミョーノフ工場の社長コロトコフさんの商習慣としては、まずバーニャで裸の付き合いをし、ウォッカ片手に大いに語り、商談は次の日に行うものとなる。
こちらも気分は里帰りなので、日本のお土産を喜んでくれるかと反応を思って、ひとり悦に入っている。

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「バーニャに入るぞ」

気が早いコロトコフさんは、すでに上半身シャツ一枚、
バスタオルを小脇に抱えている。

バーニャとはロシア式のサウナ風呂で、気のおけない仲間との社交場、招いた側では最大級のおもてなしということになるだろうか。

しかも土地の広いロシアでは、バーニャを庭先やダーチャ(ロシアの別荘)に建てるが、ほとんどが家主の手づくり、日曜大工の犬小屋とはわけが違う。

基礎工事を施し、床板や建材屋から買ってきて敷き、ドアを取り付け、水周りは母屋からひき、サウナ用の大きな釜も設置して、自らの手で作り上げる。

 

少し床が斜めになっていたり、ドアの閉まりが悪かったりと、御愛嬌はあるものの、とうてい私のような腕白では、床板一枚の貼るのも、ままならないであろう。

 

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そこで純粋な気持ちでバーニャの造りを絶賛すると、
コロトコフさんは、ロシアの男ならば当然だよとばかりに平静を保っているのだが、少しばかり家長としてのプライドが表情から見え隠れするのが微笑ましい。

 

あるガイドブックでは、ロシア人は感謝の言葉を言っても、褒められても平静を装うので、それが日本人には怒っているように映るかもしれません。

ただ平静を装うのは、幸福が続くと次には必ず不幸が訪れると信じいるからですと書かれていたのを思い出し、さらに微笑んでしまった。

 

あのガイドブック、眉つば物と思っていたけれど、意外に当たっているかもしれない。

 

 

PS:写真はセミョーノフの民族祭の写真。

   バーニャに入る中年男の写真を載せるのは犯罪と判断したため(笑)

 

(店主・YUZOO)

 

8月 30, 2016 海外仕入れ |

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