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2015年7月14日 (火)

買付おやぢはセミョーノフをめざす(2)

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セミョーノフまでの旅は、前日にコブロフさん

の住むダビドボまで向かうことから始まる。

モスクワとダビドボは100キロぐらい離れていて、

時間の節約を考えると、

モスクワ郊外に行くのは車を使わずに、

公共交通機関を使ったほうが合理的である。

 

 

モスクワ中心部は、

泣く子も泣き疲れて寝てしまうほどの慢性的な渋滞で、

それを避けるためには地下鉄を使って

鉄道駅もしくはバスターミナルに行き、

そこから中距離、長距離の乗り物に乗ったほうがいい。

 

そのほうが苛々した気分でモスクワ市内を眺めずに済み、

精神衛生上いいし、路面電車やトローリーバスのいったい

何処に向かっているのだろうと不安にかられることもない。

 

モスクワの地下鉄は、

ロシア語表記のみで旅行者につれない伴侶であるが、

路線図は色分けされているので、

何色の路線に乗れば良いかを頭のなかに入れておけば、

目的地につくことができる。

そして2、3分おきに来るので待ち時間にじれることもない。

ただロシア語がまったく読めないと逆方向に

乗車してしまう危険性があるが。

そう思うと、

今や何の躊躇もなく地下鉄を乗りこなすまでになったのだから、

この7年の畳の目を進んでいるカタツムリのような

成長をしている私のなかで、一番の進歩かもしれない。

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次に電車。モスクワのターミナル駅は

行き先ごとに異なっていて、東京駅のように、

とりあえずこの駅に着けば、東北でも関西でも九州でも

日本のあらゆる都市に行くことが可能という優しさはない。

駅名はベラルースカヤ、キエフスカヤという様に、

行き先の都市名になっているのが唯一の優しさなのだが、

地図上の位置関係が理解していないと、

全くちんぷんかんぷん。

キノコの分類学を聞いているような気分になる。

 

そして当然のことながら、

行き先もロシア語のみの表記なので、

どちらが目的地に向かうホームなのかを

判断しなければならないという難問も控えている。

幸いなことに、「○○行き」、「○○から」という表現は、

アルコールの河に流されることなく、

記憶の孤島に残っていたので、難なくクリア。

ロシア語の初歩を教えてくれたA先生に感謝である。

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電車は日本の規格とちがい広軌なので、

左右両側に3人ずつ座れるボックスシートでゆとりがある。

シートが硬いのが難点だが、

大きな小母様方がどっしりと腰を下ろしているのを見ると、

天然のクッションをお尻に備え付けているのだから、

そんなのは苦痛のひとつにも入らないのだろう。

 

不貞腐れたような面持ちで車窓を眺める様は

市井の哲学者のような貫禄があるし、

原色をつかった花柄の派手な服装は、

ハワイからの旅行者を思わせ、

小母様方を眺めているだけでも飽くことがない。

そして私たちと同じ東洋系の黄色い顔、

中央アジアの茶色い顔、北方の白く透明な顔と、

様々な血筋をひいた人が乗り込んでくるので、

ロシアが他民族国家だということに、

改めて気づかされることになる。

 

それゆえ私たちのことを好奇な目で品定めすることもない。

その点では妙な緊張感を強いられずにすむ。

 

(店主YUZOO)

 

7月 14, 2015 海外仕入れ |

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