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2014年1月21日 (火)

純情こけし東北めぐり旅(4)

Kangaku


気がつくと陽はとっぷりと暮れ、

店の灯りが、ほんのりと道を黄色く照らしている。

 

ついつい長居をしてしまったようで、

そろそろお暇しようとすると、

店の奥から平賀工人のお母さんが、

コーヒーを淹れたので飲んでいきなさいと言う。

 

ひと目見て、世話好き、話好き、

人が好きとわかる煌々とした笑顔に、

なぜかロシアのお婆ちゃんを思い出す。

 

お婆ちゃんの人に対する包容力。

母親の子どもに対する無限の優しさ。

それが無ければ、この世界は、

とうの昔に滅んでいたにちがいない。

間違いない。

 

 

 

Sagyou_09


「お腹が空いているのなら、御握りでも持っていく?」

と何の違和感もなく自然と口にする言葉に、

年のせいだろうか、つい目頭が熱くなる。

 

「遠くから来ていただいたのに、何もなくてねぇ」

とこの言葉も何ら作為もない滑らかな自然体。

 

今晩は、早々に仕事を切り上げて、

作並温泉に一宿もうけようか。

平賀こけしの150年におよぶ歴史に傾けながら、

郷土料理や地酒に舌鼓を打つことができたら、

どんな至福の時を過ごせるのだろう。

 

ふと脳裏をよぎったのだが、こちらはお金も、

心のゆとりさえないもない貧乏旅行。

さらに山形市まで足を延ばさなければならない。

 

「これから山形市まで行くの?」

平賀親子は飽きれたような顔で私たちを見つめたが、

すぐに「道中お腹が空くだろうから食べてね」と、

たくさんのお菓子を手渡される。

 Hiragakoujin_02


 

本当に申し訳ない。

すべては心に巣をつくっている貧乏性のせい。

ゆとり教育を受けていない者の根底にある

パブロフの犬的条件反射。

高度成長期の詰め込み教育のせいで、

時間一杯に仕事を入れないと落ち着かない哀しき性。

 

心のなかで、深く詫びながら、

柿澤工人宅同様に後ろ髪をひかれる思いで、

作並を後にした。

 

 

 

 

 

※話が弾んでしまい写真を撮るのを忘れてしまいました。

 

平賀こけし店のHPより拝借しました。

 

 

(店主YUZOO)

 

 

 

1月 21, 2014 国内仕入れ |

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