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2013年10月11日 (金)

木の香店主の秘かな愉しみ

  

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ロシア買付をしているがゆえ、

「自身のマトリョーシカ・コレクションは、

お店よりも凄いのでしょうね」と

憧れの眼差しでお客様に訊かれることがある。

 

だが実際のところ私のコレクションは20個にも満たない。

ほとんどが作家さんからのプレゼントか、

発送中に破損したものばかりである。

 

なにゆえ?

貴重な作家ものや新しいデザインのものに、

いち早く手を付けることに後ろめたさを感じるからである。

 

証券会社の社員が優良株を買い占めるようなもの、

銭湯の店主が一番風呂を愉しむようなこと

と同じに思えるからである。

 

それゆえ自分のためには一切求めず、旅の記念は何も残さず、

という断捨離的な生活を営んでいるかというと、

そこまで高貴な志は持ち合わせていない。

 

ソビエト時代の古い絵はがきや絵本、

図録などを、合間をみては買い漁っている。

とくにチェブラーシカ関連のものは、

時を経ることに増えている。

 

上記の写真は、そのコレクションの一部。

この絵はがきには、ちょっとしたエピソードがある。

ガラクタ市で、

ロシア的ふくよかなお婆ちゃんから買い求めたのが、

コレクションの始まり。

以降、このガラクタ市で、

そのお婆ちゃんに会うたびに買うようにしている。

 

というより、年に1,2回しか訪れない私のために、

チェブものを集めて取っておいてくれるのである。

しかも価格は全部合わせても喫茶店のモーニング程度。

 

そのときのお婆ちゃんの

「今回は、たくさん集めたでしょう!」

と少し自慢げな笑顔が、たまらなく素敵なのである。

 

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そして今回お婆ちゃんが見つけてくれたのは、

胸がキュンと締め付けられるぐらいの可愛らしいもの。

 

チェブラーシカの記念すべき映画第一話を描いた、

紙芝居風の絵はがきセットである。

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オレンジの箱に入った眠たげなチェブ、

シャパクリャクの投げたバナナの皮で転ぶゲーナ、

どれも穢れのないチェブラーシカの世界が広がっていて、

日々の生活で擦れ枯らしになった心を潤してくれる。

  

このひとときを得ることで、過酷なロシア買付の旅は、

一瞬にして癒しの旅へと変わるのである。

 

実に秘かな愉しみではある。

  

(店主YUZOO)

10月 11, 2013 海外仕入れ店主のつぶやき |

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