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2013年1月29日 (火)

グジェリ工場訪問記(6)

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ようやくグジェリ工場に到着。

グジェリにはソビエト時代の国営工場から

経営を引き継いだもの、

ソビエト崩壊後新たに工場を興したもの、

工芸学校で学び、

その後作家として生計をたてているものなど、

様々なかたちで陶器つくりに携わっており、

名前がとおった工場だけでも11あるという。

 

ただ日本の益子焼や瀬戸焼のように、

中心部に観光客を相手にした土産物センターがあって、

その周囲に工場や工房があるわけではないようだ。

砂埃舞う国道沿いだったり、

原野にぽつりと在ったり、

広いロシアの地に点在している。

  

 

それゆえコブロフさんがグジェリ駅の

次を指定したのもうなずける。

モスクワ近郊なのに、

日本パンフレットにグジェリが掲載していないのも、

その近くにあっても不便な場所ゆえであろう。

  

 

今回、連れて行ってくれたのは、かなり大規模な工場で、

コブロフさんと経営者は旧知の仲。

長身の物腰のやわらかい妙齢の女性経営者である。

  

 

コブロフさんが語るところによると、

もしくは私の語学力が許すかぎりの理解によると、

この工場、ソビエト時代の国営工場を

そのまま引き継いだ前経営者は、

商才に秀でてなかったようで、

すぐに経営難に陥り、前にも後ろにも進めなくなる。

絶望的な状況になか、今の経営者に変わると、

早々に当時の言葉で、ペレストロイカ的改革を旗印に、

ヨーロッパに販路をつくり、製造工程の効率化を徹底し、

見事にV字回復を成し遂げた。

  

 

日本だったら「ガイアの夜明け」に

取り上げられても不思議でない、

凄腕の経営者の顔を持っていたのである。

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しかし目標のためならば冷徹な判断も辞さない雰囲気も、

眼光の鋭さもなく、至って謙虚。

身長が高いことをのぞけば、

何処にでもいるような普通の女性。

  

 

古今東西、普通を醸し出している女性こそ、

本当は奥行きがあって深いのである。

言葉悪く言えば得体が知れないというべきかもしれない。

普通ほど怖いものはないのである。

 

 

現に「コブロフさんこそ、日本で販売しているなんて、

凄いことじゃない」とやんわりと褒め返している。

  

 

女性から褒められて、木に登らない男性はいない。

コブロフさんの目尻は下がったままである。

数多いグジェリ工場のなかで

一番勢いがあると聞いていただけに、

謙虚という石像でつくられたこの女性に、

グジェリ焼の製作工程だけでなく、

経営についても学べそうである。

  

 

楽しみである。

  

 

(店主YUZO)

1月 29, 2013 海外仕入れ |

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