ロシア語でテイクアウトは何という?
今日は先日話した簡易食堂の話の続き。
その店ではジャルコエ(豚肉とじゃがいもを煮たロシア版肉じゃが)か
ボルシチを注文し、それでも腹が満たされないようならば、
もう一品注文する。
上の写真が、腹が空いたときに注文する逸品。
交通事故の現場でもなければ、バイカル湖の地図でもない。
れっきとしたハムエッグである。
ロシアでは日本のようにヨードだのカルシウムだの
化学飼料をふんだんに与えていない。
またコストが嵩むためか自然にちかい飼料を与えているため、
日本の鶏卵のように限りなくオレンジに近いイエローではなく、
限りなくイエローに近いホワイトである。
おかげで卵を買うと、家まで運動会のスプーン競走のように
割れないように慎重に運ばなければならないし、
もちろん黄身がぽっこりと丘陵状に盛り上がることもない。
写真を目を凝らして見れば白身の砂漠にのなかに
薄く色付いている部分があるでしょう。
そこがさまよえるオアシス、黄身である。
これを一日の仕事を終えて、ビールのつまみにすると、
あんこうの肝を食している気分になるから不思議である。
さて本題である。
ある日のこと、まだ腹が満たされないのか、
チェリパシカ氏が美人おかみのところに行き
ピロシキを何個か注文している。
この光景、大食漢のチェリパシカ氏ならではの見慣れた光景で、
驚くに値しないのだが、注文したあとに「С тобой」
と囁いているのを聞き逃さなかった。
そして、こともあろうことか美人おかみも満更でもない様子。
はにかむように微笑んでいる。
「С тобой」。
直訳すれば「あなたと共に」、「あなたと一緒」であり、
ロシアの音楽や映画でも、よく耳にする言葉である。
どんなシーンで使われるかと、野暮な説明はしない。
もしかして今晩は、野宿かバスルームで寝なければならないのか、
独りどぎまぎしている私をよそに、
にこにこと笑みを浮かべてチェリパシカ氏が戻ってくる。
パックに入ったピロシキを大事に抱えて。
「チェリちゃん、今晩誘ったの?」と興奮気味の私。
「何のこと?」
私の意に反してピロシキに心を奪われたままのチェリちゃん。
「だって、С тобойって、囁いていたじゃん!」
「えっ???С тобойって、ロシア語でテイクアウトの意味だよ」
「●ДЖ????f@z××」
その晩は、チェリパシカ氏の言うとおり、美人おかみが
ドアをノックすることもなく、実に平凡な一日となったのだが。
ただテイクアウトとあなたと共にが、同じ表現とは信じ難い。
もしかするとチェリパシカ氏は、手玉に取られて玉砕されたのを
ごまかすためのテレで言ったのか?
本当にテイクアウト(お持ち帰り)の意味なのか?
謎が謎を呼ぶばかりである。
だれかロシア語に精通している方、
すっきりとサルにでもわかる言葉で説明していただけだろうか。
もやもやして眠れぬ日々が、日本にもどった今も続いている。
(※上の写真で美人おかみを想像してね)
(店主YUZO)
11月 20, 2012 海外仕入れ | Permalink
コメント
ス・タボイではなくてス・サボイですよ~。
まちがってもス・タボイなんて(その気が無いなら)言わない方がよいです!
トゥイで話しかけた時点であまり良い印象じゃないし・・・
投稿: わたなべ | 2012/11/20 20:10:59
わたなべ様
ありがとうございます。
なるほど!!
自分と共にという意味で、
テイクアウトになるんですね。
ようやく、もやもやが解けました。
よかったです。
投稿: YUZO | 2012/11/20 23:18:59
正直、тыで話してこない奴は胡散臭い。
何かあるやつかなと思う。ソビエト時代からの
流れで、余程年齢差があるならвыも判る
けど、そうでもないのに丁寧な言葉使うのは
半分馬鹿にされているのか距離を置きたいのか
差別しているのか、のいずれかでしょう。
投稿: ТОБАЮ | 2013/01/31 13:58:25