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2012年11月 7日 (水)

行きつけの店の美人おかみ

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今日はロシア料理の話。

よくお客様に「ビーフストロガノフを召し上がりました?」とか、

「キエフ風カツレツは想像より美味しかったわ」

と聞かれるのだが、実際のところ、

私がそれらを口にすることは、ほとんどない。

ゆえに満身の笑みで「それはよかったです」と応えるだけである。

 

もちろん今回の仕入れも同様。

ロシアのガイド本によると、ロシア料理店の目安として、

レストラン、カフェ、スタローヴァヤという順で格付けされている。

私たちが足蹴く通うのは、スタローヴァヤの以下のランク。

コンビニのフードコーナーのような格付けが不可能な店である。

 

モスクワの物価の高さは世界有数であり、

レストランでひととおり注文すると、

日本円にして一人当たり3000円は飛んでしまう。

このスープ一杯のお金で、あの作家のマトリョーシカが買えると

考えると、なかなかレストランの扉を開くことはできない。

 

断っておくが、

その気持ちはマトリョーシカに対する限りない愛情というより、

腹さえ満たせれば味は問わないという浅ましい考えによるものだが。

 2012_012

さて今回も通ったのは、ホテル近くのいつものコンビニのようなお店。

このお店でちょっとしたサプライズがあった。

 

前回の仕入れのとき、経営者と思われるオジサンが、

店を切り盛りしていて、気分次第で早く閉店したり、

ほとんどのメニューがつくれなかったりと、

実にロシア的な経営だったのだが、

資本主義の波についていけないのか、オジサンは去り、

中央アジア出身らしい目鼻立ちの整った妙齢の美人に

変わっていたのである。

 

それにともって、京成線立石駅のモツ煮込みのごとき

塩っぽく滋味深かったボルシチは、

豚肉がごろごろと入った新鮮スタミナスープに変わり、

毎日来ても飽きがこないほどメニューも増えた。

 

ちなみにロシアではスープは飲むといわず、

食べると表現するそうである。

そしてボルシチの味も店毎、家庭毎に異なり、

系統だって分類するのは不可能だと言われている。

 

私たちは目尻を下げながら、

ペレストロイカ的に劇的に変わったボルシチを食べながら、

横目で美人を盗み見するのが日課となった。

しかもこの美人、男心を虜にさせるのが、なかなか上手く、

私が「今日は誕生日だったんです」と呟くと、

気前よくビールをプレゼントしてくれるのである。

「おめでとう」と一言添えて、ニコリと微笑んで。

 

ああ、老兵は去るのみ。オジサン何処へ。

(店主YUZO)

11月 7, 2012 海外仕入れ |

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