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2012年11月15日 (木)

「マトリョーシカEXPO 2012」見聞譚

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以前に紹介した沼田元氣さんが主宰する企画展、

「マトリョーシカEXPO 2012」に行ってきた。

ついでに仙台の秋の味覚を堪能しよう目論み、

交通費は極力抑えてのバス旅行。

 

仙台グルメを報告するのは「木のあしあと」の本意ではないので、

省略させていただき、バスと新幹線でどれだけ交通費が

違うのかだけを記すとする。

その金額差は約半分、逆に時間は3倍。

この違いを得ととるか、損と感じるかは、

旅の目的で分かれるところではある。

名所旧跡巡りに食指の動かない私にとって、

居酒屋に灯りがともる頃に着けばいいので、この差は得であった。

 

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前置きはさておいて、カメイ美術館で開催された、

この展示会をひと言で表すならば「ユニーク」。

こけし素材を元に、ロシアのマトリョーシカ作家および工場が、

それぞれの特長を生かして作品を仕上げる。

工場はその産地ならではの特色を、色づかいや技法で

見事な腕前を披露し、作家は筆づかいとモチーフで、

その個性と美を余すことなく表現する。

 

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テーマであった、「ロシアと日本との友情の架け橋」を飛び越えて、

木工芸の世界には、元々国境はないのだなと再認識した次第。

上記の作品など、無国籍な香りが漂って、実にユニーク。

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この企画を、こけしの里であり、震災復興を願う東北の地で、

催されたことは、荒野に咲く一輪の可憐な花の如く、

人々に安らぎと希望を与えてくれたように思う。

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さらにこの展示会を有意義な心温まるものにしたのは、

沼田元氣さんとセルゲイ・コブロフさんとの

マトリョーシカ対談と絵付け教室。

擦れ枯らしの年齢になり、肉体どころか涙腺さえも弱くなった私は、

コブロフさんと仲良く絵付けをしている光景を眺めているうちに

不覚にも涙。

来場者の笑いと歓声に包まれた、

終わってしまうのが惜しいと思えた一日だった。

   

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この対談で印象深い沼田元氣さんのひと言があったので記す。

「懐かしいという記憶は、自分が実際に体験したことでなくても、母や父が小さい頃に話してくれたことも含まれるんですね。私がマトリョーシカに強く魅かれる理由として、母の影響が多分にあるかもしれない。実は母はロシアで生まれ育ち、革命時に帰国した人なんです」 

ああ、この麗しき生い立ちと記憶。

心の底からユニーク。

 

私がマトリョーシカに魅了される記憶は、どこにあるのだろうか。

これからそのルーツを辿る記憶の旅に出かけようか。

 

※ユニークという言葉は、多くの意味があるらしく、

私たちが思う以上に多彩で奥深いものらしい。

或るひとりのロシア人にとっては。

 

(店主YUZO)

 

11月 15, 2012 展示会情報 |

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