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2012年6月17日 (日)

バーバーヤガは心優しきお婆さん?

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今日はロシア民話の話。

先日、『世界の民話』(全12巻・ぎょうせい刊)を手に入れた。

持ち金がなかったので、ロシア民話が収録されている

東欧Ⅱのみを泣く泣く購入。

 

個人的な思いとしては、マトリョーシカ界でもお馴染みの

バーバーヤガが、どんな役割で登場するのか

が気になるところである。

 

最初に収められているのは比較的に有名な「かえるのお妃」。

三人の王子がお妃をむかえいれる年頃になり、

王が放った矢を手にした者をお妃にしないという言い付けの許、

三人はそれぞれ相手を見つけるのだが、

不運か幸運か、末っ子はかえるが矢を手にしていたため、

かえると結婚することになってしまう。

 

周囲から嘲笑を買うなか、かえるは美しい布を織ったり、

美味しいパンを焼いたりして、王家の人たちを驚かせる。

というのも、このかえるは龍の呪いのために、

かえるに姿を変えられた美しい娘。

その美しい娘に再び逢うために王子は、

「三十番めのよその国、骨足のババ・ヤーガのところ」

へ旅に出るのである。

 

さてその骨足のババ・ヤーガと王子が出合ったときの会話。

 

「ときどき来て、頭のしらみを取ってくれる子だね」

「えっ?どこにいる?教えて」

「弟のところで働いているよ。日やとい女だね」

そして王子が熱心に弟の居場所をきくと、

「(中略)だが、気をつけな、ひどいめにあうよ!そのお妃とやらを見つけたら、一目散につれて逃げるんだよ。わき見をするんじゃないよ」

王子はババ・ヤーガに礼を言って立ち去った。

 

この民話ではバーバーヤガは親切なお婆さんの役。

身内の許で下働きしている

お妃を救うための助言をしているのである。

 

実はこの「かえるお妃」は

ソビエト時代にアニメ化している話なので、一度ご覧あれ。

妖異な風貌のバーバーヤガは黒魔術の祈祷師のようでもあり、

森の中で出会ったら、まず逃げ出すだろいう異様さ。

親切な心持ちとのギャップを映像で楽しむことができる。

他人を風貌だけで判断してはいけないという良い見本。

性格というのは、一筋縄ではない。

 

ちなみにお妃をかえるに変えてしまった龍は、

三つの頭を持っていて、火を吐いたりと

ゴジラ映画の敵役キングギドラに瓜二つである。

古今東西問わず、

民話に描かれる怪物の創造性には驚かされる。

 

この民話集には、ほかにも上半身が人間、下半身が熊

という「イワン・くまっ子」。

長靴をはいた猫と似た「雄ねことばか息子」。

欲深い人間には天罰がくだるという「魔法のぼだい樹」。

奇想天外な話が収められていて、

つまらない小説を読むより数段面白い。

 

上記の挿絵は「イワン・くまっ子」。

横にいるのはくまっ子に騙される小悪魔ちゃん。

とてもキュート!

(店主YUZO)

6月 17, 2012 店主のつぶやきブックレビュー |

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