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2012年5月18日 (金)

ドナルド・ダック・ダンの死

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今週は長かった。

一週間が千日でひと回りしているようにさえ思えた。

 

月曜日にドナルド・ダック・ダンが亡くなった。

この日本の地で。

しかも前日には素晴らしいステージを披露していたというのだ。

ダック・ダンは誰だろうと思われる方がいると推するので、

簡単に説明すると、ソウル・ミュージック黄金時代の

1960年から70年代にスタックス・レコードのベーシスト

として屋台骨を支え続けた人物である。

 

映画『ブルース・ブラザース』でパイプを咥え、

渋くベースを弾いていた姿も印象深い。

 

とにかく南部録音のソウル・レコードのクレジットを見たら、

必ずといってよいほど、ギターのスティーヴ・クロッパーと

共に明記されていて、この名前が載っていれば、

内容は保障できるという、

いわばソウルの「特保マーク」のような存在。

 

私事になるが、二十年ほど前バンド活動をしていたときに、

憧れとしてあったのが、ダック・ダンが在籍していた

ブッカーT&MG'sとニューオリンズ・ファンクの雄ミーターズ。

もちろん私達の拙い演奏力では、その足元どころか、

影を踏むことさえ出来なかったのだが。

 

さてダック・ダンのベースの特長というと、

ずっしりと重く響くものの、決して音数は多くなく、

バスドラムに程良くからんで南部特有のグルーヴ感を出す。

 

一聴すると地味な印象を与えるが、歌の伴奏者とすれば、

これほど心強く頼りになる、歌心を知っている人はいない。

それゆえに一流のソウル・シンガーから多大な信頼を受け、

オーティス・レディング、サム&ディヴ、ルーファス・トーマス

たちと数々の名曲を作り上げることができたのだろう。

 

上記のアルバムはブッカーT&MG'sの未発表曲集。

ソウルやブルースの名曲が歌なしで演奏されていて、

曲をグルーヴさせるにはベースとドラムの相性だと

再認識させてくれる優れもの。

 

この一週間はこればかり聴いている。

人間の身体のなかで耳が一番頑固なのかもしれない

と、ふと感じながら。

(店主YUZO)

5月 18, 2012 CDレビュー |

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