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2011年12月28日 (水)

米原万里「ヒトのオスは飼わないの?」

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先回はペットの話をしたが、今回はその続き。

我が家は狭苦しいマンション住まいなので、

原則的に犬猫を飼うのは禁止。

飼うことができるのは昼夜吼えたりしない、

徘徊をしない動物だけに限られる。

そのため我が家のペットはナマズの仲間みたいな魚と

娘が小さい頃に飼いたいとねだったミニウサギだけである。

 

どこの家庭でも見られるように、

泣くまでして飼いたいとせがんだミニウサギは、

いつの間にか妻が飼育係となり、魚の世話は私が担当に。

かれこれ10年近くが過ぎようとしている。

 

この風変わりな魚を飼う羽目になったのも、

娘と川遊びに行ったときの話しで、

5ミリ程度のおたまじゃくしに似た生き物を網で掬った途端、

「これ何になるんだろ?飼いたい!飼いたい!」

と娘が騒ぎ立てたおかげである。

娘の熱しやすく冷めやすい銅鍋のような性格は熟知していたので、

綺麗な水で飼わないと死んじゃうから無理だよと

何とか思い留まらせようとしたものの、一向に引く気配がない。

最後はこちらが根負けをして持ち帰ることになってしまった。

 

小指の先ほどの身体つきなのに食欲は旺盛で、

自分の背丈ほどある糸ミミズを何匹も平らげ、

一年もしないうちに、今の15センチぐらいまで成長した。

こうなると立派な成魚というより、いっぱしのオヤジ魚となって、

水槽の底でゆうゆうと暮らしている。

横に広がった口は笑っているようにも見え、ニタリと名づけた。

 

ペットというのは飼い主に似てくるといわれるが、

ニタリも同様で、食事以外は横ばいになり、

さらに進むと一瞬死んだと思うぐらいに

腹を天に仰いで高鼾と洒落込んでいる。

 

仕事に疲れて帰り、ぼんやりとニタリを眺めていると、

そんなに忙しく働かなくてもいいんじゃないの?

と言われているようで、その寝姿に癒される。

 

さて遅れてしまったが本の紹介。

この本は、著者が捨てられた犬猫を拾ってきては

家族一員になっていくのをユーモアを交えて描かれている

心温まる作品。

古参の猫たちが新顔の犬を受け入れるまでの話や

モスクワの街頭で売られていたブルー・ペルシャに

一目惚れした話など、

波乱万丈の生活ぶりが、何とも微笑ましい。

 

とくに傑作だったのは全ロシア愛猫家協会会長の話。

ネコ語が話すと自負する会長は、猫たちと世間話をしては、

過去の出来事を次々と言い当てる。

驚きを隠せない著者にネコ語は万国共通なのだと告げる。

猫たちに国境も国籍もないという驚愕の事実。

だから猫は無益な争いは好まないかもしれない。

(店主YUZO)

12月 28, 2011 ブックレビュー |

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