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2011年12月16日 (金)

忘年会にはブルースを

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最近、ノンアルコール系の飲み物が売上を伸ばしていて、

ついにその勢いに乗じてカクテルまでも登場した。

アルコールが入っていないカクテルならばジュースだと思うが、

実際に飲んだ人に訊いたところによると、

アルコールが入っているような気持ちにさせるらしい。

訊いた相手は元々酒豪で、身籠ったため今は控えている身分。

そんな人を納得させるのだから開発者の情熱はたいしたものである。

 

しかしどのようなニーズから、

このような飲み物を開発するに至ったのだろうと思う。

お酒が飲めない下戸ならば、

きっぱりとジュースやお茶を頼んでしまえばいいのに感じるが、

そう簡単な図式では語れない或る事情が、

この一連のノンアルコール商品開発には潜んでいるのではと、

つい斜に構えて考えずにはいられない。

 

私の結論はこうである。

年末の風物詩である忘年会対策のために、

下戸の人たちの声に耳を傾け開発されたのではと睨んでいる。

上司から酒を勧められても簡単に断れず、

かといって盛り上がっているなか、

独りジュースを吸っているのも気が引ける。

せめて見た目には皆と同じように宴の輪に紛れていたい。

飲めないことで目立ちたくない。

そういう日本人的な集団依存の感性の声を訊き、

その人たちをこのような地獄の境地から救うべく、

ノンアルコールが生み出されたのではと踏んでいる。

 

表向きの理由として飲酒運転を撲滅するためと嘯いても、

酒が飲みたい輩というのは、自分も含めて、

酒の味が好きなのこともさることながら、

それ以上に酔ってこの世のウサを晴らしたいのである。

ノンアルコールで満足できるわけがない。

 

さてこの写真のアルバムはハウンドドッグ・テイラー

『この猟犬スライドに憑き』という題名の未発表ライブ音源を

収めたもので、2004年に発表されている。

ハウンドドッグ・テイラーの歪んだスライドギターの音で、

脳天を一撃されてぐちゃぐちゃにされ、

いつまでも鼓膜が振動している音といおうか。

腹を空かせた猟犬に耳を喰い千切られたような

恐ろしく凶暴な音。

シカゴの黒人街で鍛えられた胆入りのブルースが聴ける。

 

これを聴くと、ブルースが悪魔の音楽と言われたのも頷ける。

このようなブルースが毎晩演奏されるクラブやライヴハウスでは、

絶対にノンアルコール系はメニューない。

そんなもの頼んだら

「坊やの来るところじゃねえな。とっと帰ってママに抱かれて寝ちまいな」

と言われるのが関の山である。

そう考えたら、忘年会で飲めないことで悩んでいる光景は、

実に平和な日本の健全な在り方かもしれない。

  

ちなみにハウンドドッグ・テイラーが壮絶なギターが弾けるのは、

指が6本あるからだと言われている。

そのハウンドドッグ・テイラーの左手が下の写真。

・・・・・・・ブルースの世界は本当に末恐ろしい。

(店主YUZO)

 

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12月 16, 2011 CDレビュー |

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