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2011年11月22日 (火)

テルミン博士とブライアン・ウィルソン

Photo  

手で触れることなく演奏できる不思議楽器。

「テルミンは取り扱っていないのですか?」もしくは、

「マトリョミンありますか?」と訊かれることがある。

残念ながら楽器まで取り扱いを広げるのは不可能なので、

丁重にお断り申し上げている。

 

テルミンはロシア生まれの電子楽器で、ウィッキペデアによると

1919年にテルミン博士によって完成したとある。

1919年といえばロシア革命が起こってまだ日が浅い年、

国の体制が大変革を遂げているとぎに、

こつこつと電子楽器の研究をしていたのだから、

このテルミン博士は胆のすわった大人物か、

計り知れない変人ではないかと窺える。

 

実際、レーニンがテルミンの発明を喜んで600台を購入。

鑑賞会の後は、はヨーロッパに演奏旅行、

アメリカで販売契約まで結んだというのだから恐れ入る。

 

ただ音程が定まりにくいテルミンは曲の中で使われることは少ない。

恐怖シーンや不気味な場面の効果音として使われことが多い。

有名どころではビーチ・ボーイズの「グッド・バイブレーション」ぐらいか。

 

1966年、当時は破格の5万ドルの制作費をつかって作られた

ビーチ・ボーイズの、いやポピュラー音楽の永遠の名曲である。

作者である孤高の天才ブライアン・ウイルソンは、

この曲を完成させるために20以上のテイクを撮り、

さらに完成に至ったテイクも11バージョンが存在するという。

まさにブライアンならではのこだわりの大仕事。

おかげで見事全米チャート1位に輝いている。

テルミンはサビの部分で独特の浮遊する音が、

効果的に使われている。

 

ポピュラー音楽が日々変革を遂げていた60年代。

ブライアンがテルミンの不思議な音色に魅せられたのも頷ける。

 

さて多少強引に結論づけると、

あの何処に着地するのかわからないフワフワした音が、

大きな変革のある時代に合う音色なのかもしれない。

ロシア革命とカウンター・カルチャーの時代。

ふむ。やはりこの結論はかなり強引だな。

似ていてようで、似て非ざるか。

 

ちなみに「グッド・バイブレーション」は

ビーチ・ボーイズのベスト盤や未完の名盤

「スマイル」などに収録されています。

(店主YUZO)

 

11月 22, 2011 CDレビュー |

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