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2011年11月24日 (木)

本秀康「レコスケくん」

 Leco 

何かをコレクションしている人ならば身に沁みていると思うが、

長年かけて蒐集した物も、他人からすれば、

何の価値もないガラクタ同然の代物にすぎないことを。

特に生活を共にしている家族は、それが顕著に出ていて、

いつか全てを処分してすっきりしたいと企んでいる。

 

もっとも家族の立場からすれば、

年を追うごとにネズミ算式に増え続けるコレクションは、

生活スペースを圧迫する侵略者にしか見えないのだろう。

私の場合は本とCDなのであるが、

今や置き場所に困り、布団の隙間に押し込んであったり、

勝手に服を捨てて衣装ケースに納まっていたりするので、

その怒りにも似た気持ちがわからないでもない。

 

マトリョーシカ・コレクターの方も同様の悩みがあるようで、

常連さんからこんな話を聞いた。

家族に増えたのを気づかれないように毎日置き場所を変え、

新しいのを買う前は、5個型の中身をひとつひとつ並べて、

実際の数を把握させないようにして目眩ましをする。

また家族から「また新しいの買った?」と訊かれると、

「前からあったじゃない」と冷静を装って答えるらしい。

 

この涙ぐましい努力と深層心理をついた深い知恵。

 

私は思わず「同志!」と叫んで、

しっかりと手を握ったことは言うまでもない。

 

この漫画は、そんなコレクター心理を描いた、

いわばコレクター応援歌のような物語。

主人公のレコスケくんは中古レコード屋巡りを日課としている

ジョージ・ハリスン好きの愛すべきキャラ。

しかも彼女までいて一緒にエサ箱を漁ったり、

収穫した代物を聴いたりしているのが何とも羨ましい。

(註・エサ箱とはレコードが並んだ箱のことです)

 

家族の理解や置き場所の問題で、

コレクター道を挫けそうになったときに読むと、

心底から癒されて、気分一新して

まだまだ続けるぞという気持ちになること請け合いです。

(店主YUZO)

11月 24, 2011 ブックレビュー |

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