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2011年11月 4日 (金)

恋するハチミツ市

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モスクワの友人がハチミツ市に行きたいというので、

チェリパシカ氏と一緒にお供をした。

酒呑みの私にとって甘い物への興味は

AKB48のメンバーの顔と名前を覚えるぐらい興味が薄いのたが、

友人はマトリョーシカとロシアをこよなく愛する、

うら若き乙女。

乙女の願いとあれば叶えなければいけない。

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以前、誰かのブログで読んだのだが、

ロシアのハチミツ市は秋から冬にかけて各地で開催されて、

その味を知ってしまうと、

日本で食べているハチミツが水飴やら添加物やら混ざった

加工されすぎた甘味料に過ぎないと書いてあった。

実はそれが脳裏にあって、乙女の願いを叶えると共に、

この擦れ枯らしの舌で本物のハチミツを確かめようという

気持ちもあったのだが。

 

私たちの行ったのは、

宿泊しているホテル近くで開催していたハチミツ市。

10店舗程度がテントを張って売っている

小さな市場だったが、それでもたくさんの人で賑わっている。

 

それぞれの養蜂家が自慢のハチミツを並べていて、

その中で気になるハチミツをマドラーでひと掬いして試食し、

好みの味であれば買うという方式。

ロシアの市場らしく売り子が大声で客引きをするわけでなく、

自分の店の前でお客が足を止めると、

重たい口を開いて自分のハチミツ説明をする。

私たちは一店舗ずつハチミツの色や花の名前を吟味しながら、

ついでに試食しながら何度も市場を往復して楽しんだ。

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私が驚いたのは、ハチミツは花によってまったく味が違うこと。

まったりとバターのような濃厚なものもあれば、

ミントのようにすっと鼻がとおるクールなものもある。

複雑にして雑味なし。

甘さの表現は、こんなにもバラエティに富んでいるのかと

酒でくたびれてしまった舌が納得している。

自然が紡ぎ出した味は人智を駆使しても

到達できないと断言してしまう深みである。

 

何を買うか迷っていると、乙女である友人は

「これからの風邪予防にはプロポリスのハチミツがいいわよ」

というアドバイスしてくれたので、

私とチェリパシカ氏は自分へのご褒美として

ひとつづつ買った。

乙女は美と健康について詳しくてなくては、

真の乙女になれないのだと納得した次第である。

 

私たちの買ったプロポリスのハチミツは、

純度が高いせいか、練った水飴のように大きく糸をひき、

養蜂家のおじさんは手際よく糸切りをしてカップに納めていく。

その手馴れた手つきを見ているだけで、

このハチミツの味の濃厚さを想像させる。

 

甘い物に興味がない私でも、

ロシアのハチミツには心を許してもいいと感じた日だった。

この日はロシアのハチミツに恋をした記念日でもある。

(店主YUZO)

11月 4, 2011 海外仕入れ |

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