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2011年10月 2日 (日)

開高健・CWニコル著「野生の叫び声」

Photo 先日、BSプレミアムで開港健の特集が、

2日間にわたって放映された。

 

何を隠そう。私は開高健が好きである。

釣りをする開高、語る開高、食べ尽くす開高を見ながら、

ひとり画面に向かって黄色い歓声を上げていた。

 

とくに2日目放映の、最晩年に背中の痛みに耐えながら

カナダで友人と釣りを楽しみ、最後の晩餐を愉しむ姿に、

自然と涙が頬をつたわってしまった。

 

年齢を重ねると涙腺やら足腰やらが弱るから困る。

 

開高健は自然を愛した人である。

 

若い頃に戦争の本質を知るために、

ベトナムへ従軍記者として旅立ち、

中年になってから釣りを始めると、

自然について本質を語りだした。

 

この対談本のなかでも

「迷いがないということになると、にわかに魚釣りがしたくなる。そうすると、鳥の声やらビーバーの姿が見えてくる。おそらく若いときは見えにくいと思います。若い人でもナチュラリストには見えるかもしれませんけれども、私に言わせると、三十五歳以後に森に入るともっとよく見えるでしょうね」

と語っている。

 

この気持ちよくわかるなぁ。

若い頃は都会の雑踏は一日中いても楽しめたのだが、

今は一時間としてもたず、心が音立てて折れてしまう。

それに合わせるように我が心は、

自然や森林を求め始めているし。

 

今日の一文は、

テレビでも紹介していた釣り師に関する中国のことわざ。

開高健も好んだ言葉のようで、たびたび引用している。

 

一時間、幸せになりたかったら酒を呑みなさい

三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい

八日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい

永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい

 

もちろん私は、その境地まで達していない。

(店主YUZO)

 

 

 

10月 2, 2011 ブックレビュー |

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