マトリョーシカの聖地(1)
マトリョーシカ工場では製作現場を見学したあと、
絵付けをするのだが、その話は特別に面白くないので割愛して、
おもちゃ博物館へ。
おもちゃ博物館は、レトロなマトリョーシカが展示されているのと、
原型になった箱根の入れ子人形もあるということで、
その筋では有名な博物館。
マトリョーシカ・コレクターならば一度は訪れたい聖地といったところ。
聖地とは言うものの建物は赤レンガの小さなもので、
受付には童話で描かれるような可愛らしいおばあさんが、
ちょこんと座っている。
私たちが日本から来たとわかると
「わざわざ日本から来てくれたの!」と手放しで迎えてくれる。
とてもアットホームな雰囲気。
1階は最近のロシアのおもちゃを展示してあり、
木でつくられているとはいえ、工業製品らしくきっちりとつくられていて、
あまり心がときめかない。
お目当てのレトロなマトリョーシカは2階にあるらしい。
逸る気持ちを抑えられず、早々に階段を駆け上がる。
最初の展示室の入ってすぐのガラスケースに、
あの本で見たマトリョーシカが!
ニワトリを抱えたお母さんに、7人の子供たちの計8個型。
大事にニワトリを扱うお母さんに、
母親に代わって買い物に行く長女、
指しゃぶりがやめられない末っ子まで、
ロシアの農村生活がいきいきと描かれている。
19世紀末つくられたというのに状態も良好で、
素朴な雰囲気と年代を経た色合いが実に良い。
マトリョーシカ作家が、
必ず一度はこのデザインでつくりたくなるのも納得する。
たかなしさんと私、しばらく無言。
いいねぇ。和むねぇ。
(つづく)


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