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2009年5月 5日 (火)

はるばる来たぜ!セルギエフ・パッサード

モスクワに着てから4日目。

今日は念願だったおもちゃ博物館とマトリョーシカ工場へ行くことに。

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おもちゃ博物館には、マトリョーシカの原型となったといわれる

箱根の入り子人形が展示されており、

マトリョーシカ工場は、どのようにして木を削っているのか、

この眼でしっかりと確かめてみたかったからだ。

マトリョーシカを蒐集されている方なら知っていると思うが、

同じデザインであっても互換性はなく、大きさも微妙に違い、

マトリョーシカ同士の上下が合わさることはない。

一品一様。

工場製品のような互換性はないのだ。

この感覚、きっちり制作する日本人には、なかなか理解できない。

はたして寸法図があるのか?

特別な工具でサイズを測っているのか?

朝のこってりとしたバイキングにも慣れ、

エネルギーを充電した私たちは、

昨日に続きニコライさんの案内のもとセルギエフ・パッサードに向かう。

車に乗る際、ニコライさんが

「今日の運転手は少々気が荒いから、気をつけてください」

と耳打ちをする。

恐る恐る運転手を見ると、腕がビール樽のように太く、

短く刈上げた髪と冷たい光を放つ青い眼は、元KGBといった風貌である。

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「ドブラェ・ウートラ(おはよう)」

と小心者の私は、その風貌に圧倒され、自然と小声になってしまう。

笑顔で力強い握手されて、さらに萎縮する私。

神様。今日、どうか無事に終えることができますように。

ニコライさんが言ったように、

なるほど実に男ぶりのよい、いや荒々しい運転で、

朝の渋滞のモスクワ市街を突っ走る。

上下の車線はお構いなし。横断する人にはクラクションを連呼して蹴散らしていく。

「こういう運転は、日本ではカミカゼタクシーと呼ぶんですよ」

とニコライさんに嘯くと、

「カミカゼ?それはあまり良い意味の言葉ではないですよね」

と顔と身体をこわばらして苦笑いする。

おかげで予想時刻の30分前にセルギエフ・パッサードに到着。

こちらはフルマラソンに参加したときのように心身ともに、ぐったりである。

しかもおもちゃ博物館は開館していない。

「善は急げ」は、いつも正しいわけではないと改めて痛感。

さてセルギエフ・パッサードはどんな街か簡単に説明すると、

トロイツェ・セルギエフ大修道院を中心として栄えた小さな町で、

モスクワから約70km離れた場所にある。

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町の象徴であるこの大修道院は、たまねぎ型の黄金と青い屋根が並び、

白い壁面が美しい建築物で、世界遺産にも登録されている。

クレムリンで見られるようなあの独特のかたちをした、たまねぎ建築である。

この日もたくさんの観光バスが止まっていて、

たくさんの参拝者と観光客が訪れていた。

しかしそれ以外、名所旧跡はなく、閑散とした静か町。

この地でマトリョーシカが生まれたのだが、

どこかの国のように「マトリョーシカ誕生の地」と大きな看板を掲げる貪欲さもなく、

人々が日々の生活を淡々とこなしている風情を感じる。

もちろんその生活には、マトリョーシカ制作を生活の糧にしている人もいるのだが。

その謙虚さがこの町の魅力であり、

マトリョーシカの素朴な表情は、この町の風土によるものかもしれない。

ゆっくりと時間が進むような町である。

(つづく)

5月 5, 2009 海外仕入れ |

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