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2009年5月29日 (金)

念願のマトリョーシカ工場見学②

「最初は木を削るところを見てもらいます」といきなりクライマックス!

たかなしさんも私も、凹んだ気持ちに、興奮のスイッチが入る。

作業場には70歳を過ぎた体格の良いお爺さんが、

ニコニコしながら私たちを迎え入れる。

「よ~く、見とくけよ(=たぶん、そう言っている)」

と言うと、まだ樹皮のある板を機械に備え付ける。

そして横にあるボタンを押すと、もの凄い音を立てて切断機が降り、

あっという間に角材の出来上がり。

機械がやったことなのに、お爺さん少し自慢げ。

「次はこの角材から入れ子をつくるよ(=たぶん、そう言っている)」

と言い旋盤の前に立つお爺さん。

私が見たかったのは、この作業だよと、

思わず生唾をごくり。

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センターに角材を取り付けるのは、日本の旋盤と同じ。

センターが決まると旋盤が回転し、刃物を当てて角材を丸棒に変えていくのも同じ。

丸棒が出来上がると、いよいよ入れ子つくり。

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まずマトリョーシカの下部になる部分を削り出した。

ここで図面はなく目測だけでつくる。下部が作りあがると、

上部の瓢箪型をつくる作業にうつる。

さすがに手際よく、あっという間に瓢箪型に。

そしてここから重要な作業。上部と下部の合わせた上に、

中をくりぬかなければならないのだ。

下部の凸部分が上部の凹部分に、きっちりと合わさらないと、

入れ子にならないのだから、ここは細心の注意を払うところである。

げっ?、げっ?、げっ!、げっ!

何と物差しで測ることもなく、目測だけでがりがりと削り始めた。

それも余裕の表情で、削り上げ、手品師のように私たちの目の前で、

上部と下部を合わせてみせる。

しかも所要時間は20秒程度。

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「ハラショー!ハラショー!」

眼が輝かせて、やんやと拍手喝采する私たち。

お爺さんも、どうだと言わんばかりの得意満面で、

もう一度やってやろうと、旋盤を回す。

御茶の子さいさいの出来上がり。ハラショー!ハラショー!

得意満面。もう一度旋盤を回す。出来上がり。ハラショー!

と結局、4回も、この芸術的な職人技を披露してくれた。

「俺は、この仕事を50年もやっているんだ。

こんなもの朝飯前だぜ!(=たぶん、そう言っている)」

このときのお爺さんの顔、職人ならではの少しクールさを漂わせつつ、

自信に満ちているのが格好良かった。

ただお爺さんに続く職人も、もうキャリアが30年だそうである。

どこの国でも、職人技というのは消えゆく運命にあるのかと思うと、

虚しい気持ちにならずにはいられない。

ニコライさんが、「若手でも30年だそうです」と訳してくれたのが、唯一の救い・・・

(つづく)

5月 29, 2009 海外仕入れ |

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