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2009年3月25日 (水)

姫のご乱心INスターバックス・コーヒー

ニコライバさんと別れたあと、ニコライさんは私たち以上に興奮している様子。

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「わたしは、マトリョーシカはお土産にすぎないと思っていました。

しかし今日、ニコライバさんの作品を見て変わりました。

あれは芸術品です!

ロシアに住んでいながら、日本にいるあなた方に教わるとは恥ずかしい限りです」

ニコライバさんの作品が認めてもらえるのは我が事のように嬉しいけれども、

自分たちまで褒められるのは恥ずかしい。

まだ時間が4時を少し回ったところなので、

たかなしさんの希望で、アルバート通りに買い物に行くことにした。

アルバート通りは、モスクワの原宿通りといった場所で、

お土産屋をはじめ、レストラン、カフェ、衣料品屋などが並び、

さらには屋台が出たり、大道芸をやっていたりと、

モスクワ一番の繁華街だ。必ず旅行ガイドには載っているせいか、

物価は少し市内よりは高め。

そこにスターバックス・コーヒーがオープンしたので、どうしても行きたいらしい。

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スターバックス????

日本に戻ったらいくらでもあるのに何故と思ったものの、

アルバート通りのウィンドーショッピングは、

木工芸品を扱う店もたくさん並ぶので、仕入れの参考にとても役立つ。

ちなみにロシア全土にはスターバックスは、

わずか2店舗しかなく、その2店舗ともアルバート通りにある。

どういう市場調査に基づいているのだろうね?

相変わらずの渋滞をくぐりぬけ、ようやくアルバート通りに到着。

着くやいなや、たかなしさんはカップやタンブラーが並ぶ棚へと走り、

棚にあるタンブラーを全部買おうととする。

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「姫!ご乱心を!」

ニコライさんと私が制止するのも聞かず、

よろよろとタンブラーを抱えながらカウンターへ向かうたかなし姫。

「姫!ご乱心を!」

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「だって、だって、マトリョーシカの絵柄がついているんだよ。

ロシアではここでしか売っていないんだよ!!」

「そんなに買ったら、スーツケースに入りきりませんぞ。15個も買い過ぎです!!」

私の強い口調で、はっと我に返った姫は、5個だけ買うことで、

何とか昂ぶった気持ちを落ち着かせることができたようだ。

「本当にマトリョーシカがお好きなんですね」

ニコライさんは半ば呆れ顔で、

カウンターに並んでいたロシア人も苦笑いしている。

タンブラーを買うとコーヒーが一杯サービスになると聞き、

とりあえず一服。しかしコーヒーの量がハンパなく多い。

レギュラーサイズとはいえ、ゆうに500mlはある。

いくら外が寒いからっといって、物事には適量というものがあるはず・・・・。

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猫舌の私は、カップに唇を近づけることさえできず、

姫は袋からタンブラーを出してはご満悦な表情を浮かべている。

そのなかで、姫のマトリョーシカ好きは量りかねるといった複雑な顔のニコライさん。

コーヒーで温まったところで、さらに姫のご乱心が続くとは知る由もなかった。

(つづく)

3月 25, 2009 海外仕入れ | | コメント (0)

2009年3月14日 (土)

番外編 ロシアのりんご

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いつも「木のあしあと」をお読みくださっている皆さまこんにちは。

イラスト担当のたかなしです。

今日はYUZOさんのお話とはちょっとずれますが、私がロシアの様子をお伝えしたいと思います。

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本日のテーマは・・・ロシアの食べ物シリーズ りんご です!

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ロシアでよく売っているりんごは、日本で売られているものより

小さく、手のひらサイズです。

(色は赤、黄、緑 いろいろです)

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食べ方は・・・ そのまま丸かじり!

皮がうすいので、とっても食べやすいです。

グラムで販売しているので、

たくさん買って、もぐもぐ食べてました。

 

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ある寺院に行ったとき、小学校のこどもたちが遠足に来ていて、

おやつに皆りんごを持ってきていました。

優秀な携帯おやつです!

(しかも絵になる)

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こどもが食べているのは想像できたのですが、

メトロの中で、ギャルっぽい女の子が

おしゃべりしながら、ポケットからりんごを出して

かじっているのを発見! 

これにはびっくりしました~

あまりにも自然に食べていたので、珍しいことでは

なさそうでした!

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日本にもこのサイズのりんごが売っていたらいいのにな~

と ぼんやり考えているたかなしでしたーー

(またいつかお会いしましょうーー!)

おしまい

3月 14, 2009 マンガ | | コメント (2)

2009年3月 3日 (火)

ニコライバさんとの再会(2)

「ニコライバさんがマトリョーシカをつくり始めたのは、いつ頃からでしょうか」

20年前ぐらいかしら。元々は技術者として働いていたんだけど、

仕事がなくってしまったの。それでマトリョーシカをつくり始めたの。

最初は近所の子どもたちにつくっていたわ。

そのうち友だちから市場で売ってみないかと言われて、売ったのが最初かな」

20年前といえばソビエトが崩壊して、ロシア人にとって政情不安だけでなく、

物不足にも喘いでいで苦渋の日々を過ごしていた頃である。

私はニコライバさんの年齢から察して、

制作活動は50年近いのではないかと思っていたので、この回答には驚いた。

しかも職を失ったため、自己流でつくり始めたという事実も。

「木は職人さんに削ってもらうのだけれども、表面が荒れていたり、

中心部がずれていたりすることが多いわね。

だからヤスリを使って自分で整えるの。

とくに底の部分は、ほとんどの作家が注意を払わないわね。

私はそれが嫌だから、底もきれいにして、マトリョーシカがぐらつかないようにするわ」

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ニコライバさんのマトリョーシカは本人が言うだけあって、

底の部分は陶器のように滑らかだ。

ほとんどのマトリョーシカに見られる木工ろくろで出来る中心部の穴や、

顔を丸く描くために使うコンパスの跡がない。

それらの傷跡もニコライバさんが修繕しているのだ。

この妥協をゆるさない創作姿勢であるがゆえ、

量産することで質が落ちるのを拒んでいるのであろう。

きっと技術者として働いていたときも、よい仕事をしていたのだと思う。

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私個人の意見を言わせてもらえば、マトリョーシカの伝統的な技法、

たとえば絵柄に民族衣装を採用したり、絵画的な陰影をつけない筆遣いだったり、

それらを踏襲しながらも、さらにその技法を深化させて、

芸術的な分野にまで入り込んだのが、ニコライバさんの作品だと思っている。

しかも絵画を専攻していたわけでなく、

技術者出身でありながら、誰からも習うことなく、

独自にその作風を生み出したのが面白い。

やはりマトリョーシカは奥が深い。

(つづく)

3月 3, 2009 海外仕入れ | | コメント (0)