2017年9月20日 (水)

第8話 ロシア買付日記




朝の4時には明るくなってしまうので、早起きして散歩にでる。
散歩なんて日本ではしない習慣だけど、やはり海外だと気分がちがうのだろう。

ロシアは窓枠が可愛いらしいので、家並みを見ているだけで楽しい。
窓枠が額縁のようで、窓辺に花瓶を置くだけで、1枚の絵のように見える。何処の家も窓枠にはこだわりがあり、隣の家同士が同じ枠組というのは、まず無い。




もちろんマトリョーシカとホフロマ塗りで有名な町なので、至る所に伝統デザインをつかったものがある。電柱にも、壁にも、公園の柵にも、それを見ることができる。
町として誇りがあるのだろう。
トイレの入り口にまでホフロマ塗りの皿で囲った門があり、日本人的な思考だと一礼したくなるような厳かな気分にさせられる。




まだ買付の時間まで、たっぷりある。
仕事までにこのゆとりの時間を過ごすなんて、日本ではなかなかない。
毎日、このような気分で朝を迎えたい。

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2017年9月13日 (水)

第7話 ロシア買付日記





今日は移動日。
モスクワから電車と車でセミョーノフまでの長旅。約600キロある。
舗装路の状態は、日本のようにはいかない。大河ヴォルガも渡らなければならぬ。
朝6時にホテルを出発したが、いつ到着することやら。

今回のセミョーノフはマトリョーシカの買付はもちろんのこと、もうひとつの目的は、マトリョーシカ工場社長の50歳の誕生日をみんなでお祝いすることである。
日本は60歳を還暦として、いつもとは違う祝福をするように、ロシアでは50歳が人生の区切りとなるそうだ。
半世紀の人生を盛大に祝う為に、日本から樽酒(似せたものだけど)、いつまでも健康にとハブ酒、社長のポートレートをパッケージにしたチョコレートなど、いろいろとサプライズを用意したのだ。
パーティが盛り上がらないと、重い思いをして日本から持参した意味がない。





それにしても何処までも続く平原。
道沿いに白樺の林が続き、所々にラベンダーが咲いている。眼を開けていても、瞑っていても同じような景色が遠遠く延びている。





途中に寄ったガソリンスタンドで見たアイスクリームのパッケージの可愛らしさに、思わず眼を細める。
紙で包んだアイスクリームは、創業当時から味もパッケージも変えていませんといった感じの頑固さがあり、パッケージの派手さで勝負しないという潔さがある。
ロシアのアイスクリームは、コクがあってバターを舐めているような美味しさがある。
日本ではなかなか味わえない濃厚な味わい。

まだまだセミョーノフまで道は続く。

(店主・YUZOO )

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2017年9月 6日 (水)

第6話 ロシア買付日記




市場の人いきれで混沌とした熱気が好きである。
ロシアの雑貨市場は生鮮食料品を扱っているわけではないので、売り手と買い手の声高なやりとりはないが、それでも熱気はある。
リアカーを引いて果物を売る者もいれば、お茶を売る移動式の屋台も出る。

露地いっぱいにベレスタが積まれ、夏だというのに毛皮の帽子が壁一面に咲き乱れ、雛壇に並んだマトリョーシカたちは澄ました目線でこちらを見ている。
それらを買付にロシア各地から、いやヨーロッパからも名うての雑貨商たちが、さほど広くない市場に大挙してやって来る。




こちらも負けてはいられない。
かりにも極東の島国からはるばる来ているのだ。何を買うかは、昨晩から諳んじられるほどに頭の中に刻み込んでいる。
1個、2個といった染みっ垂れた買い方はしない。10、50、100が単位である。

この市場に来るようになって10年。
どの商品がどの店で扱っているのかは、もう百も承知。
天井の染みぐらいに知っている。
これで思い通りに買付られなかったとなると、自棄のやんぱち日焼けの茄子、色が黒くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たないよと、寅さんの口上がつい口をつくことに。
つまり初秋に冬眠から覚めた蛙のような、自暴自棄な気分になってしまう。





今日はロシアならではの白木やヤーロスラブリの素焼きの人形、もちろんマトリョーシカも買付。何を血迷ったのかスノードームや寺院オルゴール、カレンダーまで、買付用の大袋に投げ込まれていく。
8月に大きなイベントが二つあるので、バラエティに富まそうと思い、かくなるご乱心を起こしている次第。
これだから買付はやめられない。





〈追記〉
ちなみに時間が勝負の買付ゆえ、写真を撮り忘れました。ということで市場と関係ないものをアップしてます。
お楽しみのところ、申し訳ありません。


(店主・YUZOO )





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2017年8月29日 (火)

第5話 ロシア買付日記




今日はモスクワ中心部を巡る旅。
モスクワの竹下通りと謳われている新アルバート通りや文具や本の問屋を回る予定。
新アルバート通りは観光客を相手にしているせいか、マクドナルドやハードロックカフェ、スターバックスなどが軒を並べていて、ロシア的な旅情を求めるには、気分が削がれる。日本各地にある○○銀座の様相を帯びているのである。
何処の都市でも外資系企業が進出して、金儲けに血眼になっているようで、これでは国名が異なるだけで、行く店はみな同じ。異国情緒などあったものではない。
やれやれ。





ただお土産屋には様々な工芸品が並ぶため、買付人としては、市場価格や新しい作家を見つけるのに、最良のカタログになる。
近くにはモスクワ最大の本屋「本の家」があるし、いろいろな刺激をもらえる場所ではある。
「本の家」はウィンドー・ディスプレイが本屋の概念を越えており、剥製の熊がカゴを背負っている「マーシャと熊」を模したものがあった。日本でいえば、紀ノ国屋書店か三省堂書店のガラスケースに2mの熊が鎮座していると想像してもらいたい。




そしてウィンドーショッピングをひと通り終えると、次は腹ごしらえ。
まずはロシアのファミリーレストラン的な「Му-Му」。
読み方はマイマイではなく、ムゥムゥと読む。牛の鳴き声が店の名前の由来。ビフェ方式なので、目の前にある料理を好きに選ぶことができて、値段もリーズナブル。
サイズを表す簡単なロシア語で、十分に腹を満たすことができる。
前は新アルバート通りの真ん中辺りにあったけど、アルバートスカヤ駅近くにも、もう一軒できていて、店前で牛が客引きしていた。





マクドナルドもダンキンドーナツも、英語表記でなくキリル文字で、ロシアで商売する以上、ロシア語表記にしろと圧力がかかったのか気になるところ。ソビエト崩壊後、マクドナルド1号店が、この新アルバート通りの店だったはず。
はずと書くあたりが、記憶に自信のない表れであるが、ただ20年以上も前の話題である。
果てしなく続く行列をこぞってメディアが報道していたのを、誰もが記憶の片隅にあるだろう。
ペレストロイカは遠くになりにけり。
ちなみに写真は平和大通り駅のマクドナルド。




文具と本の問屋街では、きのこ型の板に糸を通すだけのシンプルなオモチャを見つけた。
ほとんど日本では見られなくなった懐かしいオモチャである。
こういうものに出会うと、私の細い目がさらに細くなり、自然と目尻が下がる。
どんなオモチャなのかは、8月に店頭に並ぶまで、楽しみに待っていてください。
他にも、ロシア版大人の塗り絵やカレンダーも買付ました。

(店主・YUZOO )

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2017年8月26日 (土)

第4話 ロシア買付日記




今日は中距離バスに乗ってセルギエフ・パッサードへ。約1時間半の小さな旅である。
行き慣れた旅といえども、バスや鉄道の旅はやはり心が躍る。
モスクワ郊外に出ると何処まで続く果てない平原があり、時にはラベンダーが紫の絨毯となって草原を覆い、遠くには玉ねぎ頭の寺院が見え、飽くことのない景色が目の前に広がる。
気障な言い方かもしれないが、車窓から見える風景は一枚の絵であり、掌編小説である。
崩れかけた廃屋に絡まる樹木を見て、人々が生活を営んでいた頃の様子に思いを寄せ、自然が家屋を呑み込んでいく無慈悲さを痛感する。




チケット代は200ルーブル。(約400円)
距離を考えれば公共交通は、軒並み日本より安い。地下鉄だって、一回の乗車は距離に関わりなく70円程度。料金均一だから、わざわざ路線図を見て、切符を買う手間が省けるのも嬉しい。

セルギエフ・パッサードは世界遺産に登録されたセルギエフ大修道院とマトリョーシカ発祥の地として知られている町。
ショップ・ウィンドウもマトリョーシカを使った飾りつけをしている店が多く、目を楽しませてくれる。
もちろん観光で来ているわけでない。マトリョーシカ作家さんの家を訪問するのが目的だから、ご自宅や工房を巡っては、気に入ったものを買付ていく。




何を買付するかは腕の見せ所で、どんなデザインがお客様の好みに合うか、似たようなものを買わないように選ぶか、美的センスが問われる場面である。
ただ最近はインターネットの発達で、時差こそあれ、迷って悩んだ挙句に写真を転送すると、日本にいる美的センスが良いスタッフが、お客様好みのものを選んでくれる。

便利な世の中になった。
反面、地球から未知なる世界が減り、どんどん小さくなっていく。

(店主・Yuzoo )




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2017年8月22日 (火)

第3話 ロシア買付日記




♬今日は朝から雨ぇ〜
嫌な天気やけどぉ
さぁ一緒に出かけよう〜

有山淳司の歌ではないけど、空を恨めそうに眺めて、外へと出ていく。
買付で日曜日に雨が降るのは、月曜日の朝に人身事故で電車が止まるぐらいに最悪である。天候のことだけに誰にも文句は言えないし、ロシアの天気予報を聴いても理解できないので、午後からの天気さえわからない。
今日は一日中雨降りなのか。

100円均一で買ったレインコートを着て地下鉄へ向かったけど、周りを見ると傘をさす人も、雨具を着ている人も少ない。
この位の小雨ならば身体に良いと言わんばかりに濡れている。
幼稚園から帰る子供のような無防備な格好でいて、小雨程度に神経を尖らせている、こちらが恥ずかしい。




ロシア人にとって雨に濡れるということは、如何なる意味があるのだろうか。
大地の民であるロシア人は、自然と寄り添い生きていると、為すがままに、為されるがままに、茄子がママの好物であるかのように、受け入れているのである。
突然の雨降りのために、コンビニで随時傘を置いてある日本と、店舗でも傘を見かけることが少ないロシア。
民族学的な見地から探っても興味深いテーマかもしれない。

本日はモスクワ郊外にあるマトリョーシカ作家さんの自宅を訪問。
地下鉄を乗り継いで行く。
詳細は書けないが或るアイデアを伝えに行くのが主な目的。もちろん買付もだけど。
自宅の窓から見える景色は、緑が鮮やかで美しい。このような四季の風景を目の前にして描くから、あのような色彩鮮やかなマトリョーシカができるのかと、改めて実感。





お茶の時間に自家製ピロシキのおもてなし。
日本のピロシキみたいには揚げてはいない。
何処で間違って日本に伝わったのかなと、ぼんやりと考えてみたが食欲が勝り、カレーライスやラーメンが独自に発達したのと同じと結論づけてみた。
たぶん中央アジアのパンが揚げたものが多いから、それがピロシキとして伝わったのだと思うけど。
香り豊かなお茶と美味しい食事。それに愉しいお喋り。
それさえ満たされていれば、何も必要はない。ロシア語があまり理解できなくても、胃袋が理解してくれる。

(店主・YUZOO )




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2017年8月18日 (金)

第2話 ロシア買付日記





今日から買付初日。
朝の5時前というのに外が明るいので、目覚めも早く否応なく気分が急かされる。土日の市場は昼頃から賑わい、早朝はまだ商品を並べているか、お茶を飲んで寛いでいるかなので、そんなに気持ちを高ぶらせる必要はないのだが。
朝早くからテンションが上がっては、夕方迄には燃え尽きたマッチ棒になってしまう。





そこで腹が減っては買付できぬ、ということで、朝食をとることに。
ホテルのモーニングは高いので、ロシアのファーストフード「крошка картошка 」に行く。
この店、オーブンで焼いたジャガイモに、チーズ、サーモン、きのこなど好きなものをオーダーすると、トッピングしてくれる。
だいたい250ルーブルぐらいで食べることができ、値段もリーズナブル。(だいたい500円)
食事代を切り詰めることは、良いマトリョーシカを買うことに繋がると、改めて肝に銘じて、チーズとソーセージをトッピングした。





土日は蚤の市が出るので人出も多く、少しの差でお値打ちの逸品が他人の手に渡ってしまうので要注意。
食事も早々に終えて市場へと向かう。
数年前に比べると蚤の市はエリアが拡大し、様々なものに出会えるようになったが、反面業者風の露店も増え、価格を吹っかけてくるから、こちらの目利き力が必要になってきた。
わざとアンティーク風に汚して「これを買わなければ末代まで後悔するぞ」などと真顔でくるから、まったく気が抜けない。
しかし、これが買付の醍醐味と言えば、それまでだが。

(店主・YUZOO )

8月 18, 2017 店主のつぶやき, 海外仕入れ | | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月15日 (火)

第1話 ロシア買付日記





9時間半のフライト後、入国審査を受けて、ようやくロシアの地を踏む。
ロシアの入国審査は人が地の果てまで並ぼうと意に帰さず、マイペースを崩すことなく、パスポートを昆虫の標本を見るように眺め、ひと息ついてから入国の判子を押す。
その時間、約5分。
そして休憩時間になれば、そそくさと席を外す。また次の職員がすぐに来ないことも多く、入国審査の窓口が閉じられたままの時も。
せっかちの国から来た人間にとっては、苛立ちで青筋を立ててしまいそうだが、もう10回以上もこの通過儀式を経験しているので、仕方ない、いずれは入国できるのだからと妙に納得してしまう。
私も大人に、いやロシア的人間になったものである。




ロシアとの時差は6時間。
北緯が日本より高いため、空を見上げると陽は高く、短い夏の陽射しが照りつける。
Tシャツ1枚で充分である。
この暑さだと、ついビールでも飲みたくなるのが心情だが、明日からの仕入れの準備が終わらないかぎりは、ぐっと我慢をする。
このあたりはロシア的な人間にはならず、誘惑に心揺れない大人でいることが、真の大人。




夕方、いつもの安食堂でペルメニとジャルコエ、それとクワスを注文。
クワスはロシア夏を代表する飲み物で、黒パンを発酵させた清涼飲料。独特の酸味が舌に心地よい。
二人分、1000ルーブルでお釣りがくる。
買付の旅で食費で散財するのは禁物。金の斧を持った愚か者。
食べ物は舌の記憶にしか留まらないが、工芸品はいつまでも眼を愉しませてくれる。
この境地になったのも、長年の経験の賜物と独りごちになるのも大人である。
結局ビールは飲まずに陽が暮れた。

(店主・YUZOO)

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2017年8月11日 (金)

ロシア蚤の市雑記





8日から木の香で開催されている「蚤の市」について、雑考を少し。
最近、日本でも土日になると公園や駅前広場で、クラフト市や蚤の市、それに古本市などが開かれ、その手のモノが好きな方には、楽しみな休日になっている。
使い捨て文化、浪費社会から、モノを大切にする社会への変化の兆しとも感じられ、古いモノが好きな私には、ようやく住みやすくなってきた。
冬来りなば、春遠からじ。
もっとも断捨離ができず、本やレコードは当然ながら、チラシやDMでさえ捨てられず、ファイリングしているぐらいだから、その冬籠り前のリスのような性格にも問題はあるのだが。





ロシアも土日になると、公園や駅前など人が集まるところに蚤の市が出店する。
しかし最近はモスクワ市の条例が厳しくなったのか、私がロシアに行くようになった10年前より数は減り、開催場所が市の中心部から郊外へと移ってきている。
以前は地下鉄の改札を出ると、道の左右に様々な出店があり賑わっていたのに、今は足を止める人もなく寂しい路端になってしまった。

仕方なく定期的に開催される郊外の蚤の市まで、足を延ばさなければならなくなり、しかも世界各地からコレクターやバイヤーがかの地を目指すようになったので、激しい争奪戦となっている。
私はアンティークの目利きではないので、世界の猛者には到底太刀打ちできないが、唯一マトリョーシカや木工芸品だけは、少しばかり眼光が鋭くなる。
マトリョーシカの底にあるサインを見たり、顔つきから何年頃の製作か推定し、ソビエト時代と判断すれば買うようにしている。





買う人の心理を巧みに読むのが、売る側の腕の見せ所で、最初に高値を言ってから、徐々に安くするのは常套手段。
「いくらだったら買うんだい?」
「欲しくないなら、値段聞かないでおくれ!」
という強者もいて、ロシア語が1歳レベルの私は「いらないなあ」と、すねたように返すだけである。

とくにチェブラーシカの古いモノを扱っている人は、相当に手強い。
こちらが日本人とわかるや否や
「コンニチワ。ワタシ、スズキサン、シッテイマスカ?」
「クロサワ、ゲイシャ。アリガトウ」
と聞き覚えた日本語で近づいてきて、それからチェブラーシカの縫いぐるみやバッチ、陶器など見せ始める。
日本人のチェブラーシカ好きを熟知しているようで、価格交渉も安易な値引きはせず、まとめて買うのならばこの値段にすると、やや強気に提示してくる。
こちらも、それなりにこの世界で飯を食べている。
すぐに白旗を揚げる訳にもいかない。





「このオッサン、うちらの売りだけで、今日の売上を稼ごうとしているな」
「半分は最近つくられたモノだし、上手いことやるね」
チェリパシカ氏と相手の出方を判断して、その中から、欲しいモノといらないモノに仕分け、欲しいモノだけを価格交渉する。
「このチェブラーシカの縫いぐるみは、あの店でこの値段で売ってた。だから同じ値段じゃないと買わない」
そう言って、先ほど買ったチェブラーシカの縫いぐるみを、スズキサンを知っているオッサンに見せる。
そうすると饒舌だったオッサンの舌は、潤滑油が切れたように回らなくなり、日本人は商売が上手いなあと愚痴をこぼす。

そんなこんなとエピソードがあって買い集めた、私なりの逸品です。
今回は、ロモノーソフやリュドーボといったロシアの名陶を中心に、普段買わないサモワールやソフビなども揃えてみました。
明日から連休、木の香でロシア蚤の市の雰囲気を楽しんでくださいね。

(店主・YUZOO )

8月 11, 2017 店主のつぶやき, 海外仕入れ | | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月 9日 (水)

最終話 阪急うめだ細腕繁盛記





お祭りは終わった。
今、お志乃とお澄、それにチェリパシカ氏と新幹線に帰京しているところ。
会話らしい会話もなく、ただこの1週間を思い返して、それぞれがニヤニヤと薄笑いを浮かべ喜びに浸っている。
今回のイベントが、至福の喜びだっただけに、思い返すことは山ほどあって、1週間がうたかたの夢のように感じてしまう。

関西に木の香ファンが、こんなにも多くいたことは、まったく想像していなかったのが正直なところ。
ただSNSやメールでやり取りしていたお客様が来店されると、初めて会うのに旧知の友のように、マトリョーシカ談義に花が咲き、また出会えた喜びで笑顔になる。
マトリョーシカが結んだ縁とでも言おうか。
マトリョーシカは子孫繁栄の意味もあるらしいですよと説明することがあるが、一期一会の意味もありますと付け加えても、今や何も不思議はない。





「なかなか銀座は行かれへんので、今回だけでなく来年も開催、頼んます」
「こんなにマトリョーシカが集まったのは、初めてちゃう」
「店主ブログを休まんといて。楽しみにしてますさかい」
筆不精な私には耳が痛いコメントもあるが、どのお客様も次回の開催を、心の底から希望されている。
その言葉が思い返すたびに、ビールの酔いも手伝って実に心地良く、この仕事を続けて本当に良かったと、独りごちになる。
次はどんな展示にすればお客様に喜ばれるだろうか。3人と話す車内も、また愉しい。





お客様が更に満足される展示になるように、この細い腕によりをかけて、ロシアの未知なる逸品を探してまいります。
まだまだロシアには、驚くようなお宝が仰山眠っているさかいに。

ありがとう、華の都大阪。
愉しい夢のような1週間でした。


(了)

8月 9, 2017 展示会情報, 店主のつぶやき | | コメント (0) | トラックバック (0)